2022/02/10 中嶋悟 1968年全日本鈴鹿自動車レース 鈴鹿サーキットも60周年ですか。ついこの間50周年をやったばかりのような気分でしたが、早いものですね(笑)。私は1968年に初めてレースを観戦したのですが、翌年からたくさんレースを観戦するようになり、そこで鈴鹿サーキットにも行くようになりました。当時はまだ1コーナーあたりからS字手前あたりまでずっと草むらで、S字も林だったので行きづらかったのかな。当時はまだS字コーナーは2〜3コーナーと言っていたと思いますが、そのあたりまで歩いて観戦に行っていた記憶があります。 1973年鈴鹿シルバーカップレース 初めて自分で走ったのは1973年のレースデビューでのことです。その頃もコースは今とそれほど変わってはいませんが、『サーキットというのは思ったより曲がってるんだな』なんて感じていました(笑)。キャリアの最初の頃は鈴鹿に行き、富士に行き、ふたつのコースがメインでしたが、鈴鹿ではFL500のレースが中心で、今も少しそんな印象がありますが"フォーミュラの鈴鹿、スポーツカーの富士"というイメージがありましたね。 1975年鈴鹿ビッグ2&4チャンピオンレース(FL500) 1976年鈴鹿ビッグ2&4レース(FL500) 1977年鈴鹿ビッグ2&4レース(FJ1300) 1977年鈴鹿フォーミュラジャパンレース(F2000) 昔の鈴鹿には、シケイン(日立Astemoシケイン)がなかったんですが、あの最終コーナーが気持ち良かった。130Rは今よりはタイトで、最終コーナーはドライであればほぼ全開に近かったんです。当時は怖かったんですけど。それに、デビューした頃はまだピットロードがなかったんですから。メインストレートとピットを隔てるのは白線だけで、仕切りがなかった。観ているときは、怖いからピットウォールに立って観ていましたね。そういう光景もまだ記憶に残っています。 1982全日本F2選手権 1982全日本F2選手権 1982全日本F2選手権 1982全日本F2選手権 1984JAF鈴鹿グランプリ自動車レース(F2) 自分がF1に出るようになって鈴鹿に戻ってくると、ピットビルもすごくきれいになっていましたし、コースもグラベルなども整備され、縁石などもきちんと色分けされ、違う景色が見られました。その後もF1開催などもあり、ファンの皆さんが観やすいようにどんどん進化していますよね。 1987年F1日本グランプリ 1987年F1日本グランプリ 1987年F1日本グランプリ F1引退後はNAKAJIMA RACINGとして参戦してきましたが、鈴鹿では不思議と良い結果が多いです。鈴鹿1000kmの最後のレース(2017年)でも勝つことができたし、2020年や2021年もSUPER GTでは良いところを走れました。もちろんレースはいろいろなファクターがありますが、我々がもっている良いものがあるのかもしれません。もちろん他のコースで悪いわけではないですが、良い印象があるコースです。 2017年インターナショナル SUZUKA 1000km さまざまな立場で今もモータースポーツに携わっていますが、鈴鹿サーキットは、日本のリーダーのようなサーキットだと思います。今後も施設含め、それにふさわしい運営を続けていただければと思いますし、日本のモータースポーツをリードして欲しいと思っています。