2026/07/31
GT300も見逃せない!
新エンジンのSUBARU BRZは躍進なるか
鈴鹿で好結果が期待される注目マシンを紹介
世界中のGTマシンが集結するGT300クラスは今季、例年以上に多彩なマシンとドライバーが入り乱れる激戦区となっており、鈴鹿ではその争いがさらに激しくなりそうだ。その中でも特に注目されるマシンやチーム、ドライバーの動向を整理し、鈴鹿でどの勢力が浮上してくるかを予想してみたい。
今季のGT300のマシンの中でもっとも注目を集めている存在は61号車SUBARU BRZ R&D SPORTだろう。長年使用してきた水平対向4気筒2.0リッターエンジンのEJ20を昨年限りで降ろし、今年からはEG33ベースの3.0L水平対向6気筒ツインターボへと換装。スペック上の変化は大きく、マシン特性自体が変わることも予想されたが、チームからは昨年までの走りの良さも維持されているとの声もあり、EJ20時代から鈴鹿で見せてきた速さから、さらにパワーアップした強さが発揮されそうな気配がある。
SUBARU BRZ R&D SPORT(SUBARU BRZ GT300)
昨年は予選でポールポジションを獲得しながらも、給油時間の長さなど決勝での強さに課題があったが、燃焼効率の向上やツインターボ化による燃費改善により、今年の鈴鹿ではその弱点が解消されている可能性がある。
一方でシーズン序盤は、タイヤ選びの方向性を模索している様子もあり、エンジンの特性や重量バランスの変化に合わせた選択がカギとなりそうだ。それでも井口卓人と山内英輝という熟練のコンビがセットアップを進めており、新エンジンで挑む初の鈴鹿戦はチームのポテンシャルを示す場になるだろう。
鈴鹿で注目したいマシンはまだある。まずは9号車PACIFIC ウマ娘 NAC BMW M4 GT3 EVOだ。前モデルのM4 GT3はBMW M Team Studieが鈴鹿で勝利しており、EVOモデルとなった2025年も鈴鹿1000kmでTeam WRTが勝利するなど、BMWと鈴鹿の相性は良好。PACIFICはGT300での初勝利こそまだだが、M4 GT3 EVOの性能とチームの勢いが噛み合えば上位進出が期待される。
PACIFIC ウマ娘 NAC BMW(BME M4 GT3 EVO)
また、今季のGT300で新鮮な存在感を放っているのが32号車ENEOS X PRIME AMG GT3。GT500やスーパーフォーミュラで実績を重ねているROOKIE RacingがGT300に本格参戦するだけでも注目だが、GT500優勝経験のあるベテラン・石浦宏明がドライバーとして加わり、チームメイトにFIA-F4選手権チャンピオンである期待の若手・鈴木斗輝哉という先輩後輩コンビのポテンシャルは高い。メルセデスAMG GT3という、GT3マシンの基準とも言えるような王道マシンを使って、要求が高い鈴鹿でどこまで速さを発揮できるのか、特段目を引く存在となりそうだ。
ENEOS X PRIME AMG GT3(Mercedes AMG GT3)
さらに、昨年の鈴鹿戦での上位勢も引き続き強力だ。優勝争いを展開した60号車Syntium LMcorsa LC500 GTは高速コーナーでの安定性が高く、今年はダンロップタイヤも好調で、鈴鹿で上位争いに絡む力は十分。そして昨年ウイナーの7号車CARGUY Ferrari 296 GT3 EVOはマシンがEVO化され、ドライバーも昨季から継続のザック・オサリバンと、フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ王者の梅垣清の若手コンビに刷新。夏に強いヨコハマタイヤがコンディションに合えば、今回も上位争いに加わる可能性がある。
Syntium LMcorsa LC500 GT(LEXUS LC500)
CARGUY Ferrari 296 GT3 EVO(FERRARI 296 GT3 EVO)
7号車と同じくヨコハマ×フェラーリのパッケージである6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIも要チェック。ドライバーは片山義章とGT300復帰のニクラス・クルッテンのコンビを起用しているが、クルッテンは2024年のシリーズデビュー戦で表彰台を獲得した経験を持つ気鋭の若手であり、こちらも上位を狙えるパッケージに仕上がっていると言える。
UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(FERRARI 296 GT3)
また、88号車VENTENY Lamborghini GT3も忘れてはいけない。GT500とGT300の両クラスで王者経験を持つ小暮卓史と、元F1ドライバーのダニール・クビアトという強力なラインアップが魅力。88号車は2024年の鈴鹿戦でも勝利を挙げて相性は良いだけに、今季デビューのクビアトがF1でも走行経験のある鈴鹿でどんな速さを見せられるのか注目だ。
VENTENY Lamborghini GT3(LAMBORGHINI HURACAN GT3 EVO2)
一方、ブリヂストンタイヤ勢に目を向けると、今季は序盤から2号車HYPER WATER INGING GR86 GT、31号車apr LC500h GT、65号車LEON PYRAMID AMGが表彰台を獲得しており、すでに多くのサクセスウエイトを積む状況から鈴鹿戦は厳しい戦いを強いられそうだ。一方、52号車Green Brave GR Supra GTは第2戦富士で速さを見せながらも作戦の綾で上位獲得を逃しており、鈴鹿こそはとリベンジに燃える1台と言える。
Green Brave GR Supra GT(TOYOTA GR Supra)
勢力図を見渡すと、鈴鹿で大注目の存在はやはりSUBARU BRZか。新エンジンパッケージの熟成度はまだまだこれからの雰囲気だが、鈴鹿との相性が大きく崩れる気配はなく、むしろ実績面からもポジティブな要素が多い。一方で、今季もマシンの多様性が際立つGT300は、どの陣営も鈴鹿で力を発揮する可能性を秘めていることから、タイヤやセットアップ、ドライバーの仕上がりなど、さまざまな要素によって結果が左右されることになりそうだ。この夏の鈴鹿戦は見逃せない一戦になるだろう。