ニューマシン、PRELUDE-GT。
今季最大のチャンス到来か。
Honda GT500クラス車両と鈴鹿、その相性の良さに迫る

 8月22〜23日に開催される2026年SUPER GT第5戦『SUZUKA GT 300km RACE』。今季のGT500クラスに3メーカー14台が参戦している中で、なんといっても注目したいのが唯一のニューマシンである『Honda HRC PRELUDE-GT』だ。
Modulo Nakajima Racing(Honda HRC PRELUDE-GT)
Modulo Nakajima Racing(Honda HRC PRELUDE-GT)
その期待されたニューマシンだが、開幕2戦を終えた時点では残念ながらライバル陣営の後塵を拝する結果となり、苦しい戦いが続いている。実質4戦目となる第5戦の鈴鹿はホンダ陣営のホームコースでもあるだけに、ホンダファンとしてはPRELUDE-GTの初表彰台、そして初勝利を期待したいところ。今回はその可能性を探る意味でも、ホンダ陣営の歴代ニューマシンの歩みと、鈴鹿での相性の良さを過去の成績を元に振り返ってみたい。

 ホンダがSUPER GTの前身にあたる全日本GT選手権に参戦を開始したのは1996年。故・高橋国光さんが率いたチーム国光が初代モデルのNA型NSXを投入したのが始まりだ。翌年の1997年からはメーカーも本格的に関与し始め、第2戦からavex童夢無限NSXとRAYBRIG NSXの2台が参戦し、鈴鹿サーキットでは1999年第1戦で脇阪寿一/金石勝智組のTAKATA童夢NSXが初めて勝利を挙げた。
Castrol無限NSX(NSX-GT)

Castrol無限NSX(NSX-GT)

道上龍

道上龍

 2000年のシーズン最終戦として開催された第7戦では、伊藤大輔/ドミニク・シュワガー組のMobil1 NSXが優勝を飾ると同時に、2位フィニッシュを果たしたCastrol無限NSXの道上龍がチャンピオンを獲得。ホンダGT500陣営に初の栄光をもたらした。
NA型NSXは2009年までSUPER GTに参戦し、鈴鹿では通算4勝を挙げている。
NSX-GT
NSX-GT
 そして2010年、ホンダは参戦車両を幻のスーパーカーとなった『HSV-010 GT』にスイッチ。ミッドシップのNA型NSXに対し、ホンダにとって初のフロントエンジン・リヤドライブ(FR)のSUPER GT車両のHSV-010は、特徴的なエキゾーストサウンド、攻撃的な外観などで多くの話題を集めた。

 HSV-010が目指したのはNSX時代から続く、"究極のコーナリングマシン"。開発では『速さ』と『安定性』が徹底追求され、デビューイヤーとなる2010年には小暮卓史/ロイック・デュバル組のウイダーHSV-010がいきなりのタイトルを獲得した。
ウイダー HSV-010 GT(小暮卓史/ロイック・デュバル)
ウイダー HSV-010 GT(小暮卓史/ロイック・デュバル)
 また、シーズン中の第6戦鈴鹿では、ARTA HSV-010の小林崇志がGT500初参戦で驚きの予選ポールポジションを獲得すると、決勝ではステアリングを握ったラルフ・ファーマンと井出有治の手により優勝。小林は決勝未出走ながらGT500デビューウインを記録。このHSV-010 GTは鈴鹿で通算3勝を獲得した。

 2014年にはGT500クラスにクラス1規定が導入され、ホンダも参戦車両をハイブリッドシステム搭載の『NSX CONCEPT-GT』に変更。ただ、その戦いはやや厳しく、最終年となる2016年にはバッテリー供給困難の影響もありハイブリッド非搭載を決断するも、チャンピオン獲得はならず、鈴鹿での勝利も挙げることができなかった。

 屈辱を味わったホンダは2017年に"コンセプト"の名を外した『NSX-GT』を投入。その年の第6戦『インターナショナル SUZUKA 1000km』ではベルトラン・バゲット/松浦孝亮組のEpson Modulo NSX-GTが4番手スタートから逆転優勝を達成。
NAKAJIMA RACING(Epson Modulo NSX-GT)

NAKAJIMA RACING(Epson Modulo NSX-GT)

ベルトラン・バゲット/松浦孝亮

ベルトラン・バゲット/松浦孝亮

翌2018年には、第3戦鈴鹿で野尻智紀/伊沢拓也組のARTA NSX-GTが勝利を挙げた。さらに同年は、元F1ドライバーのジェンソン・バトンが山本尚貴とともにRAYBRIG NSX-GTを駆り、ホンダにとって3度目となるGT500クラスの王者に輝いた。
TEAM KUNIMITSU(RAYBRIG NSX-GT)

TEAM KUNIMITSU(RAYBRIG NSX-GT)

ジェンソン・バトン/高橋国光/山本尚貴

ジェンソン・バトン/高橋国光/山本尚貴

NSX-GTは最終年の2023年第5戦鈴鹿でも福住仁嶺/大津弘樹組のARTA MUGEN NSX-GTが優勝し、鈴鹿で通算3勝を記録している。
Honda NSX-GT
Honda NSX-GT
 2024年にはベース車両を4ドアハッチバックの『CIVIC TYPE R-GT』にスイッチしたホンダ陣営。最高速の速さが特徴的で予選でポールポジションを獲得する場面もありながら、2年間にわたり決勝で苦戦を強いられチャンピオン獲得はならず。鈴鹿での最高位も2024年第5戦で塚越広大/太田格之進組のAstemo CIVIC TYPE R-GTが記録した2位までとなった。
Honda CIVIC TYPE R-GT
Honda CIVIC TYPE R-GT
 そして迎えた2026年、捲土重来を期すホンダ陣営はふたたびベース車両を2ドアクーペの『Honda HRC PRELUDE-GT』にスイッチ。現時点では鈴鹿での走行はテスト時のみではあるが、コーナリング速度の高さが強みだ。NSX時代の特性が期待されるだけに、鈴鹿サーキットではこれまで以上に好成績が期待できる。過去2戦の岡山、富士で悔しい思いをしたホンダファンにとっては、夏の鈴鹿での活躍を大いに期待したい。

※内容は予告なく変更となる場合がございます。
※使用している写真・イラストはイメージです。