F1と460馬力差で鈴鹿は108%タイム。世界が注目するスーパーフォーミュラの速さ

エンジン馬力はほぼ倍の差ながら、F1とSFの鈴鹿1周のタイム差は約7.5秒

5月23日(土)〜24日(日)、2026年全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の第4戦・第5戦が鈴鹿サーキットで開催されます。F1マシンに次ぐ速さを備えるSFマシンによる激戦を前に、改めてSFマシンのポテンシャルを確認するべく、ここでは3月27日(金)〜29日(日)に開催されたF1第3戦日本GPとのタイムを比較してみましょう。 
 
まず、今回の比較で使用するタイムは、現時点で最新のものを使用します。鈴鹿サーキットでは2月25日(水)〜26日(木)にSFのプレシーズンテスト(第1回公式テスト)が行われ、最速タイムは26日午後のセッション4で計測された、福住仁嶺(NTT docomo Business ROOKIE)の1分36秒290。 
一方、3月27日(金)〜29日(日)に開催されたF1第3戦日本GPの予選では、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)が1分28秒778を記録してポールポジション(予選最速=スタート先頭)を獲得しています。福住(SF)のタイムはアントネッリ(F1)比で1周約7.5秒差、比率では約108パーセントの違いとなります。
とはいえ、今年のF1は最大約540馬力(400kW)の1.6リッターV型6気筒ターボエンジン(ガソリンエンジン)に最大約470馬力(350kW)のモーター(電気の力)が組み合わさり、最高出力時には約1010馬力(750kW)という驚異のパワーを発揮します。 
SFではHondaとTOYOTAがそれぞれ開発した2リッター直列4気筒ターボエンジンが最高出力約550馬力であることを考慮すると、ほぼ半分のエンジン馬力とは思えない、SFマシンのパフォーマンスの高さが窺えます。 

もちろん、この背景にはF1のワンメイクタイヤ、ピレリタイヤとSFのヨコハマタイヤのグリップレベルの違いの影響も大きいです。SFで使用されるヨコハマタイヤはF1、F2で使用されるタイヤよりもグリップレベルと耐摩耗性が高いことで知られており、海外から初めてSFに参戦したドライバーのほとんどが、まずタイヤ性能の高さに驚きます。

F1に次ぐ、クイック&ライトのスーパーフォーミュラシャシーのパフォーマンスの高さ

■SF&F1タイム比較

1分28秒778(2026年F1日本GP予選PPタイム/アンドレア・キミ・アントネッリ)  
1分35秒736(2025年第11戦予選PPタイム/岩佐歩夢) 
 
スーパーフォーミュラとF1マシンを比較する場合、本来なら続けてセクタータイム(コースをいくつかの区間に分けた部分タイム)の比較をしたいところだが、鈴鹿サーキットが通常時にレーシングコースを4セクターに分けるところ、F1日本GPの際にはF1側が独自の計測器を持ち込み、鈴鹿サーキットは3つのセクターに分けてタイムが計測されます。 
 
そのため正確な比較はできませんが、参考としてSFとF1のポールラップのオンボード映像を、下記のURLからそれぞれご確認いただきたいと思います。オンボード映像を見ると、F1の最高速は338.4km/h(日本GP予選/キミ・アントネッリ)、SFは287.05km/h(2025年第11戦鈴鹿/予選ポールポジションを獲得した岩佐歩夢)を記録しています。最高速で約50km/hの差があり、最大出力では約460馬力もの差があるF1に対し、SFは高いコーナリングスピードを維持することで、F1に近いラップタイムを残していることが映像からも伝わってくるでしょう。 
また、SFはF1のサポートレースであるFIA F2と同じダラーラ製シャシーを使用していることもあり、たびたび比較対象として挙げられます。モータースポーツ専門サイトのオートスポーツwebによる推定では、SFとFIA F2マシンを比較した場合、FIA F2マシンの1周のタイムは1分41〜42秒前半になると算出されています。これはSFマシンよりも4〜5秒程度遅れる計算になります。 
FIA F2は最高出力620馬力と、SFよりもハイパワーなマシンですが、最低車重はドライバーを含めて795kgと、SF(最低677kg以上/ドライバー含む)よりも118kg重く設定されています。さらに、使用しているタイヤのグリップの違いによる影響も非常に大きいと言えます。SFは馬力ではF1やFIA F2に及びませんが、「クイック&ライト(素早く動き、軽くて軽快)」というコンセプトが、F1に次ぐラップタイムを記録する大きな後押しとなっているのです。 
F1公式YouTube/Kimi Antonelli's Pole Lap | 2026 Japanese Grand Prix | Pirelli 
■SF公式YouTube/2025年第11戦予選ポール・ポジションラップオンボード(岩佐歩夢) 

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