コースレコードを記録したセバスチャン・ベッテルの走り

　12日（土）実施の予定が台風19号の影響でキャンセルになったため、13日（日）は事前のフリー走行をキャンセルとし、予選が午前10時から行われた。前日の雨で路面が滑りやすく、まだ強い風が吹いており走行開始早々に2台が相次いで同じ最終コーナー立ち上がりでオーバーラン、スピンしてガードレールに接触し、そのたびに赤旗中断。荒れた展開になると思われたが、その後はアクシデントなく順調に進み予選Q1でルイス・ハミルトンがトップ。Q2ではバルテリ・ボッタスがトップに立ちメルセデス勢が好調と思われた。しかし上位10台による最後のQ3で速さを見せたのがフェラーリのセバスチャン・ベッテル。1分27秒064と、2017年にハミルトンが記録した1分27秒319のレコードを破る好タイムを記録して、今シーズン2回目のポール・ポジション獲得。これにシャルル・ルクレールが続き、フェラーリが1‐2とした。続いてボッタス、ハミルトンのメルセデス勢が3、4番手。5番手、6番手にレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンが入った。その後方にマクラーレンの2台が並び、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが5列目9番手からスタートすることになった。

2019年決勝スタートシーン

　スタートで3番グリッドのボッタスがトップに浮上。2番手にポールポジションのベッテルが続いた。3位はシャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペンの争いになったが、2コーナーで接触。2台とも走行を続けたものの、フェルスタッペンはリタイヤ、ルクレールはフロントノーズ交換でピットインし、最後尾からの追い上げとなった。

　代わって3位に上がったのはルイス・ハミルトン。ボッタスとベッテルはタイヤ交換を2回行う作戦で18周目、17周目に1回目のタイヤ交換を敢行。ハミルトンは22周目までタイヤ交換を伸ばし、タイヤ交換1回作戦と思われた。ボッタスとベッテルが2度目のタイヤ交換を終えるとハミルトンはトップに浮上。しかし、最終的にハミルトンも2度目のタイヤ交換を行い、3位に転落した。

　これでトップに立ったボッタスが後続を徐々に引き離し、最終的に10秒以上の差をつけてトップチェッカー。今季3度目、自身6度目、そして鈴鹿初となる優勝を飾った。

　2度目のタイヤ交換後、2位ベッテルの背後に迫ったハミルトンは激しくプッシュ。2台はファイナルラップまで激しいバトルを展開し、最終的にベッテルがこの激闘を制して2位でチェッカーを受け、ハミルトンは3位となった。

表彰式の様子

■優勝　バルテリ・ボッタス
「スタートは思ったより良くなかったけど、リードを築くことができて良かった。レースはスムーズに行った。セカンドスティントでバックマーカーに引っかかったが、全体を振り返ってもスムーズなレースだった。鈴鹿は5回目で初めての優勝。大好きなコースだし歴史のある有名なサーキットで勝てて良かった。チームは6回目のコンストラクターズチャンピオン。今年はいろいろあった中で獲得できてうれしいし誇りに思っているよ。ルイスとはポイント差があるが、これからもベストを尽くすよ」

■2位　セバスチャン・ベッテル
「スタートは良くなかった。勢いを失って遅れてしまった。僕のミス。フェラーリは2人ともスタートが良くなくて、このコースは追い越しも難しいので本当に残念だった。チームの戦略はうまく行ったと思う。ルイスが来ると感じていたけど、ギャップを守ることはできていた。タイヤをいたわりながら自分のポジションを守ることができた。フェラーリはすばらしい物を持っている。それをうまく使って結果を出さないといけない。今日は残念だよ」

■3位　ルイス・ハミルトン
「2回のピットストップは最初から決めていた。タイヤをがんがん使ってポジションを上げる戦略だった。13歳からメルセデスと一緒にいて、2013年からF1でも一緒に戦うようになって、今年は特に厳しい年となっているが、今回6回目のコンストラクターズチャンピオンを獲得できて本当にうれしい。チームを誇りに思うよ。ドライバーズタイトルは急いではいないし、慌てることはない。まだボッタスとバトルが続くと思う」