鈴鹿サーキット モータースポーツライブラリー

F1日本グランプリレースレポートF1日本グランプリレースレポート

2017年F1日本グランプリ10月8日(日)決勝レースレポート

ポールポジションスターのルイス・ハミルトンが終始レースをリード。
一度もトップを譲ることなく今シーズン8勝目、鈴鹿通算3勝目を飾る

決勝スタートシーン
決勝スタートシーン
圧倒的強さで決勝レースを制したメルセデスAMG ルイス・ハミルトンの走り
圧倒的強さで決勝レースを制したメルセデスAMG ルイス・ハミルトンの走り
表彰式の様子
表彰式の様子

 2017年第16戦日本グランプリは、ポールポジションからメルセデスAMGのルイス・ハミルトンが好スタートを切って熱戦の幕を開けた。予選2番手だったバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)はギアボックスを交換したため、グリッド降格ペナルティで6番手スタート。繰り上がって2番手スタートとなったセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)だったが、1周目のヘアピンでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にかわされ3位に後退。この後もベッテルはペースが上がらず徐々に順位を下げ、わずか4周を終えたところでピットイン。トラブルからリタイアとなった。

 5番手スタートのエステバン・オコン(フォースインディア)が3位に浮上するも、その座は長続きせず11周目にダニエル・リカルド(レッドブル)に抜かれてしまう。ここから逃げるハミルトン、追うレッドブルの2台の戦いが始まった。タイヤ交換のピットインを済ませてもその順位は変わらず、終盤フェルスタッペンが追い詰めるシーンもあったが、ハミルトンは最後まで冷静で、付け入る隙を与えることなく、今シーズン通算8勝目とともに、鈴鹿サーキット通算3勝目となるゴールを駆け抜けた。

 フェルスタッペンに続き3位となったリカルドは鈴鹿サーキット初表彰台。ボッタスが4位。決勝レースに強いと言われるフェラーリを証明するかのようにキミ・ライコネンが10番手スタートから5位。フォースインディアの2台、オコンとセルジオ・ペレスが続き、その後方はハースの2台、ケビン・マグヌッセンとロマン・グロージャン。ポイント獲得の最後10位にはウイリアムズのフェリペ・マッサが食い込んだ。

決勝トップ3コメント

■優勝 ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
「ベストとは言えないが、いいスタートだった。(フェラーリの)セバスチャン(・ベッテル)はベストじゃない、何か問題があると思った。今日は今週の中で一番暑くてタイヤマネージメントが重要だったので、タイヤをいたわりながら走ったよ。ピットインしてからはギャップを築いた。フェルスタッペンがかなり近くまで来たときもあったが、面白いレースができて良かった。チームは安定していて、それが結果に結びついている。チャンピオン獲得に向けては戦略を変えることなく、安定した走りが重要。今の状況を継続して行きたい」

■2位 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
「すごくいいスタートができた。(ハミルトンが)タイヤマネージメントをしていると思って近づいた。特にラスト2、3周プッシュしたがダウンフォースを失ってしまい抜くのは難しかった。最後はタイヤのことを考えながら走った。2位は本当にうれしいよ」

■3位 ダニエル・リカルド(レッドブル)
「スタートはうまく行かなかった。抜かれてしまい、自分のペースをキープして走るしかなかった。ここでのオーバーテイクは難しいからね。でもエキサイティングなレースで鈴鹿初表彰台は光栄なこと。本当にうれしい」

10月7日(土)公式予選レポート

ルイス・ハミルトンが圧巻の走り。M・シューマッハの持つレコードタイムを軽々と破る
1分27秒345を記録し、通算71回目、鈴鹿日本GP初のポールポジションを獲得

10月7日、3回目のフリー走行に続き公式予選が行われた。ここで驚異の走りを見せたのがメルセデスAMGのルイス・ハミルトン。予選前に行われた3回目のフリー走行ではフェラーリのセバスチャン・ベッテルがトップタイムを記録したが、18分間の予選Q1はハミルトンが1分29秒047をマークしてトップ。そして迎えた15分間のQ2。ハミルトンは誰も踏み入れたことのない27秒台、1分27秒819を記録した。これまでの最速記録は2006年にミハエル・シューマッハ(フェラーリ)がマークした1分28秒954。それを一気に1秒以上も短縮したのだ。だがハミルトンの勢いは止まらず、12分間のQ3開始早々に1分27秒319を記録し、自身通算71回目、日本グランプリ初となるポールポジションを獲得した。

同じメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが2番手、フリー走行では終始トップに立っていたものの、予選では2台のメルセデスAMGに届かずベッテルは3番手。レッドブルのダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンが続き、フェラーリのキミ・ライコネンが6番手となった。

予選トップ3コメント

■ポールポジション ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)
「素晴らしいセッションだった。コースインのタイミングも良かったし、作戦通り。完全にうまく行ったよ。クルマも良くて昨年に比べ3秒くらい速くなって、信じられない凄さ。ジェットコースターのようだったよ。今まで自分とトラックのバランスが完璧につかめなかったが、今日はそれが僕のコントロール下にあって、スムーズに走れた。10年でやっとここ鈴鹿でポールポジションを獲れてみんなに感謝している。鈴鹿はF1トラックの中でも一番だからね。ロングランもしているし、決勝は自信があるよ」

■予選2位 バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)
「チームがすばらしい準備をしてくれて感謝している。コースに出るタイミングが重要だが、すばらしいタイミングだった。ステップ・バイ・ステップでタイムが上がってきた。完ぺきではないが満足している。フェラーリが速いけど決勝レースは長いのでどうなるか分からないよ」

■予選3位 セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
「まだ足りないところもあるが、クルマのバランスは良かった。Q3でプッシュしたけど残念ながらポールポジションは獲れなかった。フェラーリは予選より決勝に強い。どんな戦略で行くかが重要。チームと話をしてベストを尽くすよ」

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