鈴鹿サーキット モータースポーツライブラリー

F1日本グランプリレースレポートF1日本グランプリレースレポート
2010年
小林可夢偉が魅せた!ヘアピンで5度のオーバーテイクを決め7位入賞!

ファンの声援を受け走る可夢偉

ファンの声援を受け走る可夢偉

2009年終盤2戦にトヨタから出場し、ブラジルグランプリではチャンピオンのジェンソン・バトン(ブラウンGP)らとのバトルを制し9位。最終戦アブダビグランプリでは見事6位入賞を果たした小林可夢偉。トヨタはこの年限りでF1からの撤退を発表し、翌年の可夢偉のシートはなくなったかと思われたが、BMWザウバーが来季のドライバーとして可夢偉を採用。2010年、本格的にF1フル参戦を果たすことになった。
2010年第7戦で10位初入賞を果たした可夢偉は第10戦で6位フィニッシュの快挙。その後もコンスタントに入賞を重ね、第16戦日本グランプリを迎えた。
土曜日の雨でスケジュールが変更され、2010年F1日本グランプリは日曜日に予選と決勝が行われることになった。前日の雨が嘘かのような晴天に恵まれた日曜日。可夢偉と山本左近(HRT)の2人の日本人ドライバーはファンの大きな声援を受け、予選に挑んだ。特に上位入賞が期待される可夢偉は、予選Q1を10位で通過。Q2はアタックを決められず、決勝のスターティンググリッドは14番手となったが、ここからが可夢偉の本領を発揮する舞台だ。これまでもアグレッシブかつ冷静なオーバーテイクを何度も見せてきた。日本の期待を一手に背負い、24歳の可夢偉は決勝レースに臨んだ。
晴天に恵まれた日曜日に予選と決勝が行われた
晴天に恵まれた日曜日に
予選と決勝が行われた
走行前に緊張の表情を見せる可夢偉
走行前に緊張の表情を見せる可夢偉
決勝レース前のダミーグリッド。可夢偉は14番手からスタート
決勝レース前のダミーグリッド。
可夢偉は14番手からスタート
「ザウバーのマシンはストレートが遅いので、小さなコーナーで抜くしかなかったんです」とレース後語った可夢偉。ファンの期待にこたえるかのように、13周目のヘアピンでハイメ・アルグエルスアリ(トロロッソ)をインから抜くと、18周目には同じヘアピンでエイドリアン・スーティル(フォースインディア)をオーバーテイク。これで9位に上がった可夢偉はピットインのタイミングで12位へドロップ。しかしここからまたヘアピンでのオーバーテイクショーが再開された。44周目には再びアルグエルスアリに追いつき、アウトからオーバーテイク。48周目にはルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)のインに飛び込んだ。49周目にはチームメイトのニック・ハイドフェルドに追いつき、迷わずヘアピンで前に出た。これで7位浮上だ。
残り4周。前を行くミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)を追ったが届かず7位でチェッカー。自己最高位を更新することはできなかったものの、鈴鹿F1史上、誰も見せたことがない5度にわたるヘアピンでのオーバーテイクにファンは熱狂。これからも語り継がれる、鈴鹿の名シーンのひとつとなった。
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