鈴鹿サーキット モータースポーツライブラリー

F1日本グランプリレースレポートF1日本グランプリレースレポート
2006年
アロンソが2年連続チャンピオンに王手!
シューマッハとの意地とプライドをかけたバトルを展開

優勝したアロンソ

優勝したアロンソ

2006年はエンジンが3リッターV10から2.4リッターV8に変更され、予選にノックアウト方式が採用されるなど大きな変化があった年だ。その結果マクラーレン・メルセデスが低迷、代わって1年の沈黙からフェラーリが復活し、過去7度のチャンピオンに輝いているミハエル・シューマッハ(フェラーリ)と、前年チャンピオンのフェルナンド・アロンソ(ルノー)によってチャンピオンが争われた。
2人は116の同ポイントで第17戦日本グランプリを迎えた。日本グランプリを入れて残り2戦、両者一歩も引けない展開だ。予選はシューマッハが2番手となり、チームメイトのフェリッペ・マッサがポール・ポジションとフェラーリ勢がフロントローを独占。アロンソはトヨタ勢のヤルノ・トゥルーリとラルフ・シューマッハの後ろ、5番手と出遅れた。
翌年から日本グランプリが富士スピードウェイで開催されることが決まっており、最後の鈴鹿F1を見ようと、決勝日には16万1千人ものファンが訪れ、鈴鹿サーキットを埋め尽くした。ダミーグリッドに向かうマシンがコースインすると大声援がドライバーに送られるなど、過去最高の盛り上がりを見せる中、決勝レースがスタート。シューマッハは2周目でトップに立ち、2000年から5年連続でチャンピオンを獲得した時そのままの速さと強さを見せた。前人未到の7度のチャンピオンは、それを「8」に伸ばすべくトップを快走した。
決勝日には16万1千人のファンが集まった
決勝日には16万1千人の
ファンが集まった
アロンソの走り
アロンソの走り
シューマッハの走り
シューマッハの走り
一方のアロンソは5番グリッドからスタートで4位に浮上。上位がすべて1回目のピットインを終えた18周目にはシューマッハに続く2位に浮上していた。その差は約5秒。差が広がるとアロンソがペースアップ、差が縮まるとシューマッハがペースアップ。それが何周にも渡って繰り広げられた。息詰まるほどの緊張感が伝わってくる新旧チャンピオンによるこの戦いは、今でも語り継がれるほど、互いが速さと強さを誇示しようとする意地とプライドをかけた戦いだった。
アロンソの追い上げをなんとかしのぎ、トップで2回目のピットインを終えたシューマッハだったが、なんとアウトラップでマシントラブルが発生しリタイヤ。これでアロンソがトップに。アロンソの獲得ポイントを少しでも減らそうと、シューマッハのチームメイト、マッサが追ったが、アロンソはまったく動じることなく16秒もの差をつけて優勝。シューマッハとのポイント差を10に広げ、2年連続チャンピオンに王手をかけたレースとなった。
※内容は予告なく変更となる場合がございます。
※使用している写真・イラストはイメージです。