鈴鹿サーキット モータースポーツライブラリー

F1日本グランプリレースレポートF1日本グランプリレースレポート
1999年
フェラーリコンビのチームプレーを跳ね除け、
ハッキネンが2年連続鈴鹿優勝でチャンピオン決定!

優勝で2年連続チャンピオンを決めたハッキネン

優勝で2年連続チャンピオンを決めたハッキネン

前年度チャンピオンのミカ・ハッキネン(マクラーレン・メルセデス)と、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)によるチャンピオン争いが続くかと思われた1999年シーズンは、第8戦でシューマッハが負傷しチャンピオン争いから脱落。これで楽になったはずのハッキネンだったが、チームメイト同士での接触やドライビングミスによるリタイヤなど歯車のかみ合わないレースが続き、ランキング2位以下の追い上げを許す結果に。ついには第15戦でエディー・アーバイン(フェラーリ)の逆転を許してしまい、4点ビハインドで最終戦日本グランプリを迎えた。
実は第15戦終了後に波乱があった。優勝したアーバインと2位のシューマッハが車両規定違反の裁定を受け、3位のハッキネンが繰り上がり優勝。その結果、最終戦を待たずしてハッキネンがチャンピオンを獲得したはずだったのだ。しかし車検の方法に問題があったと判断されその裁定は撤回。日本グランプリにチャンピオン決定が持ち越されることになった。
PPを獲得したシューマッハ
PPを獲得したシューマッハ
スタート前の華やかなグリッド上の様子
スタート前の華やかなグリッド上の様子
一旦手にしたはずの2年連続チャンピオン。それを取り戻すべくハッキネンは予選から猛アタックをかけた。前戦で怪我から復帰したシューマッハと激しいPP(ポール・ポジション)争いを繰り広げ、一時は全く同タイムでトップを分け合うなど一歩も引かない展開に。しかし予選終了間際のアタックでハッキネンは遅いマシンに引っ掛かり、PPをシューマッハに明け渡す結果となった。
前戦はシューマッハとアーバインの絶妙のチームプレーにやられ3位になったハッキネン。今回、アーバインは予選5番手に沈んだが、シューマッハが優勝したらアーバインは4位でチャンピオン獲得だ。ハッキネンは自力で逆転チャンピオンを獲得するためには、シューマッハを抜いて優勝するしかない。
シューマッハを押さえトップを快走するハッキネン
シューマッハを押さえトップを
快走するハッキネン
惜しくも初チャンピオンを逃したアーバイン
惜しくも初チャンピオンを逃した
アーバイン
緊張の決勝レーススタート。ハッキネンは冷静なスタートを見せ、一瞬ホイルスピンしたシューマッハを抜き去りトップに躍り出た。再逆転を狙うシューマッハを引き離し、トップを快走するハッキネン。終盤、後方では激しい順位争いを制し、アーバインが3位に浮上していた。これでハッキネンとシューマッハの順位が、そのままハッキネンとアーバインのチャンピオン争いの結果となる状況だ。シューマッハは最後の力を振り絞りハッキネンを追う。しかしハッキネンはそれに合わせるかのようにペースアップを図った。芸術的ともいえるすばらしい走りを見せたハッキネンは、最終的に5秒の差をつけ見事トップチェッカー。優勝で文句なしの逆転チャンピオンを決めた。世界トップクラスの難コース鈴鹿で、1999年シーズン最高と言っても過言ではない走りを見せたハッキネン。今でも語り継ぎたい走りのひとつだ。
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