SUPER FORMULA 用語辞典

観戦時によく聞く頻出用語を解説

スーパーフォーミュラ観戦中の場内実況やライブ配信内で、よく聞く用語をご紹介!
これを知っておけば、観戦がもっと楽しくなる!
スターティンググリッド
スタートに向けて車両を止める位置のことです。白線で記してあり、予選順位に従って先頭から順に並びます。奇数グリッドと偶数グリッドは互い違いに並んでおり、各グリッドの間隔は8mです。前後(たとえばポールポジションと3番手)は16m離れています。 
公式予選
レースのスタート位置(スターティンググリッド)を決めるために、1周の速さを競うタイムアタックのことを「予選」といいます。
スーパーフォーミュラでは、予選は2つのステージに分かれています:

■Q1(予選第1ステージ)
出場する車をAグループとBグループに分けて、それぞれでタイムを競います。各グループの上位6人ずつ(合計12人)が次のステージに進みます。

■Q2(予選第2ステージ)
Q1を勝ち抜いた12人が、さらにタイムを競ってスタート位置の順番を決めます。一番速かった人が「ポールポジション」と呼ばれる最前列のスタート位置を獲得します。

つまり予選は、「誰が一番前からスタートできるか」を決める大事な戦いなんです!
決勝レース
定められた周回数を、どれだけ早く走り切るかを競います。11月22日(土)・23(日・祝)のJAF鈴鹿グランプリでは3レース行われ、土曜日は第11戦(27Laps or 75mins)。日曜日は第10戦(19Laps or 50mins、富士大会の代替)、第12戦(31Laps or 75mins)が行われます。
ポイントシステム
レースでは、順位に応じてポイントがもらえます。このポイントをたくさん集めることで、シーズンのチャンピオンが決まります。

■決勝レースのポイント
1位:20ポイント
2位:15ポイント
3位:11ポイント
以下、順位が下がるごとにポイントも減っていきます。
10位:1ポイント
11位以下:ポイントなし

■予選でもポイントがもらえる!
1位:3ポイント
2位:2ポイント
3位:1ポイント

つまり、決勝だけでなく予選でもポイントがもらえるので、毎回の走りがとても重要です。シーズンを通してポイントを積み重ねていくことで、年間チャンピオン(ドライバーやチーム)が決まります!
アウトラップ/インラップ
■アウトラップ
ピットからコースに出た周回のこと。
このときはタイヤがまだ冷たくて、滑りやすくスピードが出しにくいです。タイヤが温まるまで、慎重に走る必要があります。

■インラップ
コースからピットに戻る周回のこと。 -タイヤ交換や作業のためにピットに向かうときに走る周です。
オーバーテイク
レース中に前の車を追い抜くことを「オーバーテイク」といいます。これが決まる瞬間はとても迫力があって、観戦の見どころのひとつです!

■オーバーテイクの形
サイド・バイ・サイド:横に並んで走っている状態
テール・トゥ・ノーズ:前後にぴったりくっついて走っている状態

■オーバーテイクが起こりやすい場所(鈴鹿サーキットの場合)
シケインの進入時:高速域から急ブレーキをしてコーナーに入るため、ブレーキタイミングの違いからオーバーテイクのチャンスが生まれます
ホームストレートから1コーナー:シケインでのバトルでは、マシン同士の距離が近くなり、そのままの間隔で最終コーナーからホームストレート、1コーナーへ向かうため、オーバーテイクのチャンスが生まれます
OTS(オーバーテイクシステム)
レース中に一時的にマシンのパワーをあげる「ブースト機能」のようなものです。
これによって短い時間だけスピードが速くなるので、追い抜きだけじゃなく、抜かれないようにする、まさに攻めと防御にも使えます。

■使い方のポイント
1台につき1レースで最大200秒まで使えます。ドライバーはハンドルのスイッチで好きなタイミングでオン・オフできます。
ただし、一度使ったら少しの間は再使用できない(サーキットによって時間が異なる)ので、使いどころがとても大事です。

つまり、OTSは「ここぞ!」という場面で使う、スピードアップの秘密兵器なんです!
アンダーカット/オーバーカット
レース中にタイヤ交換のタイミングを工夫して、相手より前に出る作戦があります。
アンダーカット/オーバーカットの前提知識
タイヤ:タイヤは新品時が一番速く走れます。周回することでタイヤが摩耗し、ペースが遅くなります。ただし、新品のタイヤがまだ冷たくて、滑りやすくスピードが出しにくいです。タイヤが温まるまで、慎重に走る必要があります。
トラフィック:集団で走行すると前後の間隔が詰まり、自分のペースで走れず、タイムが遅くなることがあります。予選のように前後間隔が空いた状態がドライバーとしても一番走りやすく、速いタイムが出やすいです。

■アンダーカット
先にタイヤ交換をして、より速く走って、相手がタイヤ交換したタイミングで前に出る作戦です。相手がペースの遅いマシン(トラフィック)に引っかかっているときがチャンス。つまり、「先に交換してスピードで勝負!」という作戦です。

■オーバーカット
相手より速く走り続け、相手より後でタイヤ交換して、逆に前に出る作戦です。交換したばかりのタイヤはすぐに速く走れないことがあるので、その間に差をつけます。自分のタイヤがまだ速く走れるなら有利。こちらは「交換を遅らせてチャンスを狙う!」という作戦です。
ダウンフォース
車が速く走るためには、地面にしっかり押さえつける力が必要です。この力を「ダウンフォース」といいます。空気の流れをうまく使って、車を地面に押しつけるようにしているんです。
スーパーフォーミュラの車では、主に「前と後ろの羽(ウイング)」と「車の底(フロア)」でこの力を作り出しています。
ウイングは飛行機の翼をひっくり返したような形で、空気の流れを工夫して、車を下に押す力を生み出します。
フロアは、車の底と地面の間を空気が速く流れるようにして、吸い付くような力を作ります。
このダウンフォースがあることで、車はカーブでも速く走れるようになります。まさにスーパーフォーミュラの速さの秘密です!
パルクフェルメ
レースが終わったあと、レーシングカーが止められる特別な保管場所のことを「パルクフェルメ」といいます。

■パルクフェルメのポイント
レース後のマシンの検査(車検)が行われる場所の近くにあります。
検査が終わるまで、関係者以外は立ち入り禁止です。 ルール違反がないかを確認するため、マシンはしばらく動かせません。
優勝したドライバーが喜びを爆発させる場所でもあります。
ピット
レース中や走行していないときに、車の整備や作業をする場所のことを「ピット」といいます。

■ピットの役割
車の組み立てや調整、修理をする場所です。走行していないときは、ピット内でタイヤやセッティングの変更などを行います。
■レース中のピット作業
タイヤ交換や壊れたパーツの交換など、急ぎの作業をするために車がピット前に止まります。この動作を「ピットイン」や「ピットストップ」と呼びます。
パドック
パドックエリアはココ!
パドックエリアはココ!
ピット裏のスペースです。元々は競馬用語で、競争開始前に競走馬を歩かせる場所です。ファンに馬の状態を観察してもらう目的もあります。スーパーフォーミュラのパドックには、チームのレーシングマシン運搬トラック(トランスポーター)が並んでいます。
パドックパスを持っていれば、そんなパドックに入場可能です。ドライバーやマシンを近くで見ることができるチャンスです!

>>パドックパスについてはこちら
ピットレーン
レース中にタイヤ交換や修理をするために、車がコースから外れて入る「通路」のことをピットレーンといいます。
この通路には、役割の違う2つのレーンがあります。

ファストレーン(高速レーン)
ホームストレートに近い側のレーン
車が60km/hまでの速度で走れる通路

インナーレーン(作業用レーン)
ピット側にあるレーン
タイヤ交換などの作業をするためのスペース
イエロー、グリーン、レッドライトパネル
走行中のドライバーにコース上の状況を知らせるために、コース上のライトパネルの色でサインを送ります。

■イエローライトパネル
事故やトラブルが起きている場所があるよ、という注意の合図。
この旗が出ている区間では、追い抜きは禁止です。

■グリーンライトパネル
危険がなくなって、通常の走行に戻っていいよという合図。

■レッドライトパネル
重大な事故や天候の悪化などで、セッション(走行時間)が一時中断されるときに使われます。
チェッカーフラッグ
レースのゴールを知らせる旗のことを「チェッカーフラッグ」といいます。白と黒の市松模様(チェック柄)で、とても目立つ旗です。

■チェッカーフラッグの意味
レースの規定の周回数や時間が終わったときに振られます。
その時点でトップを走っている車がコントロールライン(ゴールライン)を通過する瞬間から、チェッカーフラッグが振られます。一番にゴールしたドライバーは「トップチェッカーを受ける」と表現されます。

■ダブルチェッカーとは?
走行中の車が間違って2回チェッカーフラッグを受けてしまうこと。これはルール違反になることがあり、ペナルティの対象になることもあります。
セーフティカー
レース中に事故や悪天候などで危険な状況になったとき、レースを安全に続けるために登場する特別な車です。これを「セーフティカー(SC)」といいます。

■セーフティカーの役割
走っている車を安全に先導するためにコースに出てきます。
セーフティカーが出ている間は、追い抜きは禁止です。雨などで路面が濡れているときは、セーフティカーが先導してレースをスタートすることもあります。

■ランプが消えたら?
セーフティカーの屋根のランプが消えると、次の周回からレースが再開されます。

プロドライバーの山本尚貴選手が解説

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