10月8日、鈴鹿サーキットで3年ぶりとなるF1日本グランプリの予選が行われ、68,000人が来場。シャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)による激しいポールポジション争いは100分の1秒差でフェルスタッペンが制した。
20台全車が走行するQ1ではフェルスタッペンがトップタイム、Q2はセルジオ・ペレス(レッドブル)がトップを記録した。上位10台がポールポジションをかけてタイムアタックするQ3では、セッション序盤にフェルスタッペンが1分29秒305のトップタイムをマーク。ルクレールが1分29秒557と、0.253秒差で2番手になった。セッション残りわずかで行われた2回目のアタックではルクレールが先にアタックし、トップに浮上する勢いをみせたが、1分29秒314と0.01秒及ばなかった。
この結果、フェルスタッペンがポールポジションを獲得。ルクレールが2番手となった。F1日本グランプリ初走行の角田裕毅(アルファタウリ)は13番手で予選を終えた。
10月9日、鈴鹿サーキットで3年ぶりとなるF1日本グランプリの決勝レースが行われ、94,000人が来場した。
ランキング2位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)に対し、鈴鹿で8ポイント以上差を広げればチャンピオンが決定するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)。ルクレールが2位でも、自身が優勝してファステストラップの1ポイントを加えれば自力でタイトルを獲得できる。
決勝日は、午前中はドライ路面だったものの、午後になると雨が降り出し、ウエット路面で決勝レーススタートを迎えた。ポールポジションからスタートしたフェルスタッペンに対し、2番グリッドのルクレールは1コーナーまでに並びかけ、2台はサイドバイサイドでコーナーを駆け抜けた。しかし2コーナーでフェルスタッペンが前に出てトップのポジションを確定した。
1周目にアクシデントがいくつか発生し、セーフティカーが導入されたがその直後にレッドフラッグが振られレースは中断。雨の回復を待って再開する予定だったが、約2時間の中断を経てセーフティカー先導でレースが再開された。
2周の後セーフティカーが退き本格的なバトルが再開。全車深溝のウエットタイヤを装着していたが、後方の2台が浅溝のインターミディエットタイヤに交換すると、一気にトップより速いタイムで走り出した。これを見て上位のマシンもインターミディエットに交換。数台が交換を見送ったものの、数周後には全車がインターミディエットで走行した。
トップのフェルスタッペンは後続を引き離し独走体制に。2位ルクレールはペースが上がらず、3位セルジオ・ペレス(レッドブル)に徐々に差を詰められる展開となった。
レースは53周を予定されていたが、レース中断を経た場合はスタートから3時間でレース終了となる。その3時間を経過した時点でフェルスタッペンは28周目を走行しており、これがファイナルラップとなった。
フェルスタッペンは後続に約20秒の差をつけており、そのままトップでチェッカーを受けた。2位争いは数周前からテールトゥノーズで繰り広げられており、いつ順位が入れ替わってもおかしくない状態に。そしてファイナルラップのシケインで2位のルクレールがオーバーラン。そのままショートカットしてコースに戻り2位でチェッカーを受けたが、コース外でアドバンテージを得たとの判断で5秒加算ペナルティーが与えられ、ルクレールの直後にチェッカーを受けたペレスが2位となり、ルクレールは3位の結果となった。
これにより、フェルスタッペンは鈴鹿でチャンピオンが決定。2年連続2度目のチャンピオンに輝いた。
角田裕毅(アルファタウリ)は中断後のタイヤ交換で大きく順位を落としたが、周りより2秒速いペースで順位を挽回し、13位でチェッカーを受けた。
■優勝&チャンピオン獲得 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
「最初のスタートは僕自身、ダッシュがつかなくて良くないスタートだった。1コーナーから2コーナーにかけて、非常に接近していたけど、僕の方が外側のラインにいたから、すこしマシだった。その後は雨が強くて中断して、再開後は雨も降っていてコース上には川ができている箇所がいくつかあったけど、良いタイミングでインターミディエイトに交換できた。そこからはうまく走れたけど、タイヤを使い過ぎないようにするのが大変だった」。(チャンピオンが決まって)「もちろん、最高の気分だ。ゴールラインを切った瞬間はチャンピオンが確定したのか分からなかったけど、とにかく今日は良いレースができたし、全てにおいてマネジメントできた。ここで勝つことができてとても嬉しい。この素晴らしい成績を残すことができて、チームのみんなに感謝したい。みんなが同じ目標に向かって一生懸命に努力した。これでチャンピオンに対するプレッシャーが解消されたけど、残りのレースでも引き続き勝ち星を増やしていけるように、さらにがんばりたい」
■2位 セルジオ・ペレス(レッドブル)
「まずはマックス(・フェルスタッペン)がチャンピオンを獲ったことは僕も嬉しく思う。彼の頑張りは尊敬している。(ルクレールとの終盤戦は)雨でDRSが使えない状況だったので、そこでオーバーテイクを仕掛けていくのはトリッキーな感じだった。だから(バックストレートにつながる)スプーンの2つ目や、(メインストレートにつながる)シケインの立ち上がりが重要だったけど、そこでシャルルは速くて、そこに食らいついていくのが大変だった。最後の最後でチャンスが来たかなという感じだった。本当に良いバトルだった」
■3位 シャルル・ルクレール(フェラーリ)
「最後は2位を争っていて、シケインでミスをしてしまってコースオフしてしまった。最初の4〜5周は良かった。ただ、そこからタイヤのマネジメントもあるし、生き残っていかなければいけないという状況だった。特に終盤はチェコ(セルジオ・ペレス)に背後からものすごくプレッシャーをかけられていた。その時、僕はフロントタイヤがかなり苦しくなっていて、それで最後はミスにつながった。全体的に苦労したレースだった。マックスのチャンピオンには大きな祝福を贈りたい。今シーズンの彼の活躍は本当に素晴らしかったと思う。でも、今年はまだ4戦残っているから、チームと共に様々な部分を改善して、チャレンジャーとして挑んでいきたい」