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The heroic episode of Kevin Vol.3

0.556秒差の大激戦!!土壇場での強さこそケビン・シュワンツの真骨頂!!

右から#1レイニー、#12アレックス・バロス、ポールシッター#34シュワンツ、#3ドゥーハン、#5ガードナー、#19コシンスキー、#7ローソン

右から#1レイニー、#12アレックス・バロス、ポールシッター#34シュワンツ、#3ドゥーハン、#5ガードナー、#19コシンスキー、#7ローソン

シュワンツの永遠のライバルであるレイニー(右)

シュワンツの永遠のライバルであるレイニー(右)

※このコンテンツは、2013年に鈴鹿8耐サイトで公開された内容です。

ケビン・シュワンツのレースは、いつもスリリングだった。優勝か転倒かという両極端なレース内容はもちろんだが、優勝したレースでも独走は少なく、最後までライバルと接戦を繰り広げた末に、大逆転というのがほとんどだったからだ。

それがもっとも顕著だったのが1991年だ。鈴鹿サーキットでの日本グランプリ、オランダグランプリ、ドイツグランプリ、イギリスグランプリと、永遠のライバルであるウェイン・レイニーらとの大接戦は、現在でもグランプリファンの間では語り草になっている。なかでもこの年の開幕戦鈴鹿は、シュワンツ、ミック・ドゥーハン、ワイン・ガードナー、ジョン・コシンスキーの4人が、チェッカーの瞬間まで激しいトップ争いを演じており、グランプリのなかでこれを最高のレースに挙げるファンは少なくない。

レース中、一時はトップ集団から離されたシュワンツだが、これでライバルたちの動きを確認。トップスピードに勝るHonda、コーナリング特性に秀でるヤマハに対して、スズキのシュワンツは、レイトブレーキングに活路を見いだした。

この走法で徐々に順位を挽回すると、19周目にシュワンツはトップに浮上。そして首位を守ったまま最終ラップに突入するが、第1コーナーでドゥーハンがシュワンツをかわしてトップに立つ。その後のスプーンカーブでは、極限にまでブレーキングを我慢したシュワンツが首位に返り咲くが、続くバックストレートでは、またしてもドゥーハンがシュワンツをパス。だが、130Rでドゥーハンはラインを外してしまい、この隙を突いてシュワンツがトップを奪うと、最後のシケインから最終コーナーを駆け抜け優勝。しかし、2位のドゥーハン、3位のレイニー、そして4位のコシンスキーまでが、優勝したシュワンツから僅か0.556秒差にひしめいていたのである。

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