2019 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT300km RACE

SUZUKA GT 300km RACE 直前プレビュー
「予測不能な大激戦〜波乱続きの序盤戦ファイナルラウンド」

 今シーズンのSUPER GTは第1戦、第2戦とも決勝はウエットスタートで、セーフティカー先導の時間帯も多かったため、勢力図が不透明なまま、鈴鹿サーキットでの第3戦を迎えることになった。
 とは言いながらも、2戦を終えてウェイトハンディにも差が生まれ、勢力予想をより困難にしている。
 ここからが本格的なシーズンの始まりとなる鈴鹿で、これまで以上に予測できない、手に汗握るレースバトルが繰り広げられるだろう。

GT500クラス

 今シーズンのSUPER GTは第1戦、そして第2戦とも決勝がウエットでのスタートとなったため、予選で選択したタイヤが決勝でどのようなパフォーマンスを発揮したのかはわからないままだ。それでも第2戦では第1戦で低迷していたレクサス陣営が勝利し、優勝したZENT CERUMO LC500のレース内容を見てもライバル2メーカーと互角以上のパフォーマンスを見せて躍進した。

 レクサス陣営躍進の要因のひとつは、LC500のエンジン面でのパフォーマンスアップが挙げられる。GT500クラスは開幕後のエンジン本体の開発は規定で認められていないが制御系の変更は可能。レクサス陣営のエンジンを管理するTRDは第2戦富士に向けて設定を変更し、アクセルを踏み込んだ際のドライバビリティの向上が計られた。優勝したZENT CERUMO LC500の立川祐路も「設定変更による改良に加えてパワーも少し良くなったので、その効果はありました」と手応えを実感している。

Photo : Takashi Ogasawara
Photo : Takashi Ogasawara

 ただ、そのレクサス陣営の好調が第3戦鈴鹿も続くとも言い切れないのが現在のGT500の難しいところだ。第2戦富士でレクサスが好調だった要因のひとつに、富士をホームコースとしていることが挙げられるからだ。

 レクサス陣営はホームコースの富士をベースにLC500の開発を進めており、その走行データは3メーカーのなかでもっとも多い。車体のセットアップにタイヤ選択、路面の変化の仕方や車体とタイヤのマッチングなど、豊富な走行データから現状の最適解を導きやすいのが、富士だったとも言える。

Photo : Takashi Ogasawara
Photo : Takashi Ogasawara

 そして3つめの要因として挙げられるのが、各チームのタイヤ選択。レクサス内でも6台中予選Q2に進出したのは3台で、残りの3台は主にタイヤ選択が異なることがQ1敗退の大きな要因だった。富士を得意とするレクサス陣営でもタイヤ選択に各チームは悩まされていることからも、Honda、ニッサンがタイヤとセットアップに大きく悩まされたことは想像に難くないだろう。3メーカー間だけでなく、チームごとのセットアップやタイヤ選択で予選、そして決勝の順位が大きく変わってしまうのが現在のGT500クラスの戦いなのだ。

Photo : Takashi Ogasawara
Photo : Takashi Ogasawara

 一方、RAYBRIG NSX-GTの第2戦での活躍も顕著だった。昨年チャンピオンでウェイトハンディ(WH)0kgのRAYBRIG NSX-GTは山本尚貴がステアリングを握ったにも関わらず、予選でまさかのQ1敗退となった。第1戦ではトップを走行して優勝争いを演じたにも関わらず、富士の予選では低迷。「原因が分からない」と山本尚貴が予選後に話していたが、決勝では表彰台獲得までマシンを導く結果となった。

 雨からドライへと変わる難し路面コンディションの中、RAYBRIG NSX-GTは着実に順位を上げ、Honda陣営で最上位となる3位表彰台を獲得。山本尚貴とジェンソン・バトンがコース上で頑張ったのはもちろん、チームも予選から決勝に向けて大幅にセットアップを変えたのが奏功した形となった。コンディションとセットアップのマッチングにより、ここまで順位とパフォーマンスが変わるという、現在のGT500の難しさを象徴する内容となったのだ。

Photo : Takashi Ogasawara
Photo : Takashi Ogasawara

 第3戦鈴鹿に関しても当日の路面コンディション、天候次第で優勝候補は大きく異なり、予想が非常に難しい状況であることは間違いない。その中でも当然、富士をホームコースとするレクサスが速さを見せたように、鈴鹿をホームとするHondaが優位になる可能性は十分あるだろう。

 Honda陣営ではランキング3位のARTA NSX-GT(WH24kg)、4位のRAYBRIG NSX-GT(WH22kg)、7位のKEIHIN NSX-GT(WH12kg)とウェイトハンディをそれなりに搭載して第3戦鈴鹿に臨むことになるが、それでも表彰台を狙えるポテンシャルは間違いなくあるはず。第2戦富士で予選4番手を獲得したMOTUL MUGEN NSX-GT、そしてModulo Epson NSX-GTにもチャンスがあり、Honda陣営の5台がどのような戦いを見せるのかは、優勝争いというポイント以外でも注目される。

Photo : Takashi Ogasawara
Photo : Takashi Ogasawara

 そして第1戦、第2戦と変わらず優勝争いを演じたGT-Rも、カルソニック IMPUL GT-Rはウェイトハンディが11kgと比較的軽く、優勝候補の1台になることは確実だ。現在ランキング1位のMOTUL AUTECH GT-Rはウェイトハンディが49kgともっとも重いが、鈴鹿で入賞圏内に入ってくるようならば今季のチャンピオン争いの大本命になっていくだろう。

Photo : Takashi Ogasawara
Photo : Takashi Ogasawara

 とはいえ、今シーズンのSUPER GTは第1戦、第2戦とも決勝はウエットスタートとなってしまったために、予選で選択したタイヤが決勝でどうだったのかは分からないまま。ドライタイヤでの3メーカ−、そしてタイヤ4メーカーの勢力図が2戦を終えてもよく見えて来ないというシーズンなだけに、第3戦の鈴鹿では快晴のもと、スカッとしたGT500のガチンコの戦いを期待したい。

GT300クラス

 一方、GT300に目を向けると、開幕2戦を終えてある傾向が見られている。それはコンディションを問わず、ブリヂストンタイヤを装着するマシンが速さをみせていることだ。特にヘビーウエットとなったときの速さは圧倒的だった。
 ただ、今後気温が高まるにつれてライバル勢が巻き返しをはじめることも間違いなさそうで、事実第2戦富士ではコンディションを読み切ったダンロップ装着のGAINER TANAX GT-Rが優勝。現代のSUPER GTではタイヤは重要なファクターとなっているが、それだけではないことを証明した。

 迎える第3戦鈴鹿は、中低速の岡山、高速の富士とはコース特性が異なる中高速のコースレイアウト。GT300クラスで多数のチームが使用するヨコハマは、絶えず横荷重がかかるような中高速レイアウトが得意と言われており、第2戦富士で予選上位を占めた戦いの再現が期待されている。
 ただ、今季いまだにドライコンディションでフルにレースが戦われたことはなく、今後どんな戦いになるのかはまったく予想がつかない。

Photo : Takashi Ogasawara
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 車種面でこの鈴鹿を得意とするのは、クイックな挙動をもつJAF-GT車両。SUBARU BRZ R&D SPORTやGT300マザーシャシーのHOPPY 86 MC、ADVICS マッハ車検 MC86 マッハ号、また、第1戦岡山で3位表彰台だった埼玉トヨペットGB マークX MCも速さをみせそうだ。

Photo : Takashi Ogasawara
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 対して、FIA-GT3車両もバランスに優れるメルセデスAMG GT3は鈴鹿が比較的得意。注目なのは、今季GT300にデビューした2車種、アストンマーティン・ヴァンテージGT3とマクラーレン720S GT3の2台。この2台は、ともにバランスに優れ、コーナリングを得意としているが、開幕2戦は性能調整に抑え込まれ、パワー不足に泣いている。第3戦はいよいよ本領発揮になる可能性もある。

 さらに、鈴鹿を大得意としていると言えるのが、レクサスRC F GT3だ。中高速レイアウトのコースに高い適性をもつマシンであり、特に昨年優勝を飾ったK-tunes RC F GT3は今年も優勝を狙っているはず。第1戦岡山を制しウェイトハンディは大きいが、第3戦でも優勝争いには絡んできそうだ。

Photo : Takashi Ogasawara
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 もちろん、先にも挙げたメルセデス勢や、Honda NSX GT3エボ勢も虎視眈々だ。メーカーテストでも戦力は拮抗しており、順位を予想することは非常に困難だ。300kmというレース距離となり、鈴鹿ならではの緊迫した戦いが楽しめる第3戦は、ファンにとっても見逃せないレースとなりそう。GT500とともに、第3戦鈴鹿は中盤戦に向けたシーズン前半の山場となるだけに、各クラスの覇権争いをぜひ、お楽しみ頂きたい。

Photo : Takashi Ogasawara
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