開催迫るSUPER GT第5戦!鈴鹿初の“450km”レースの難しさと注目ポイント

Photo :T.Ogasawara
 全8戦の2022年のSUPER GTもシーズン中盤戦に突入。シリーズタイトル争いも熾烈を極めるなか、鈴鹿サーキットとして今季2度目のSUPER GT開催となる第5戦『FUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 450km RACE』が8月27日〜28日に開催される。そこで、今回は5月28日〜29日に開催された第3戦『たかのこのホテル SUZUKA GT 300km RACE』との違いや注目ポイントをお届けしよう。
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 まず、第3戦と第5戦のもっとも大きな違いはレース距離だ。5月下旬に行われた第3戦は例年と同じ300kmでの開催だったが、第5戦は大会名のとおり450kmと、150km増えた長距離戦となる。これに対応して、各チームのドライタイヤの持ち込みセット数は通常の6セットから1セット多い7セットとされ、ピットインに関しても最低2回の給油義務が大会特別規則によって定められることになると予想される。

 なかでも決勝レースの戦略を組み立てる上で重要となるのはピットインのタイミングだ。大会特別規則(※)では『最低2度の給油義務』とあるのみで、ドライバー交代やタイヤ交換に関する規則はない。そのため、給油のみでドライバー交代を実施せず、ひとりのドライバーが2スティント連続で走る『ダブルスティント』も可能だ。実際、このルールで行われた450kmの第2戦では、いくつかのチームでダブルスティントが実施されていた。そして、タイヤ交換に関しても同様で、無交換や1回の交換のみでピットアウトすることも可能だ。

 つまり、レース距離が長い分、タイヤ交換やドライバー交代については、通常の300kmレースよりチームの選択の自由度が高くなると言える。450kmでのレースは今年の第2戦が初の開催だったが、このレースでは450kmを迎える前にレースの最大延長時間を迎えたこともあり、まだどのチームも、この新しいルール下での450kmレースの走破実績はなく、同距離で8月6日〜7日に開催される第4戦富士の1戦を経て第5戦鈴鹿に挑むことになり、経験やデータが少ない状況だ。
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 そうしたなかで、第2戦でも多かったアクシデントやトラブルによって、決勝はフル・コース・イエロー(FCY)やセーフティカー(SC)導入のリスクも大きく抱えることになる。これらの予定外の事態への対応も含め、3つのスティントでどのような戦略を組むかは、チームにとって大変悩ましいポイントだろう。
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 5月28日〜29日に開催された第3戦鈴鹿は、5月末にもかかわらず気温32度、路面温度47度とともに高めのコンディションとなった。8月下旬のまさに夏本番に開催される第5戦は、好天に恵まれた際には第3戦以上の真夏日となることが予想される。そのため、高気温・高路温により、エンジンとタイヤ、ブレーキや冷却系へかかる負荷も大きくなるだけに、第3戦以上のサバイバル戦となる可能性は高いと言える。
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 また、高気温・高路温・長距離戦ということもあり、GT300クラスなどで見られたタイヤ無交換でピット時間を短縮し、タイヤ4本交換のライバルに対しマージンを得るという作戦は困難になると予想される。しかし、ルール上では義務ピットは2回ということで、タイヤ2本交換や無交換で得られるマージンは通常大会の倍となる。

 そのため、大会当日の天候、そして持ち込みタイヤ次第では、決勝ではタイヤ2本交換や無交換を実施し、大幅なポジションアップを狙う車両も現れるかもしれない。レースウイークの走り始めとなる公式練習から、各車のロングランのペース、そしてタイヤのデグラデーション(性能劣化)の状況にも注目したいところだ。

 また、450kmレースでは第3ドライバーの登録可能で、チームがどのドライバーを起用するのかも注目だ。第2戦富士の450kmレースでは、GT500クラスはいずれもレギュラードライバーのふたりがステアリングを握ったが、GT300クラスは複数のチームが第3ドライバーを起用していた。第5戦鈴鹿ではSUPER GT実戦デビューを果たすドライバーや、久々のGT復帰を果たすドライバーも現れるかもしれない。後日発表となるエントリーリストにも注目だ。
 そして、第5戦はレースだけではなく、さまざまなイベントや催しも予定されている。なかでも、鈴鹿サーキット60周年を記念した特別デモラン&展示『グループC〜夏の鈴鹿耐久決戦〜』は見逃せない。こちらには、幻の日産グループCカーとも呼ばれた『NISSAN NP35』、ロータリーサウンドを奏でる『MAZDA 767B』に加え、『NISSAN R86V』、『Porsche 962C Le Mans』、そして『Argo JM19C』や『SPICE SE91C』といったグループCカーが登場。コース上での特別デモ走行を予定している。

 1966年に初開催された『鈴鹿耐久レースシリーズ』の系譜、伝統の真夏の耐久レースで一時代を築き、多くのファンを魅了したグループCカーが集う姿、そして轟音も、ぜひ鈴鹿サーキットで堪能してほしい。
鈴鹿サーキット60周年 特別デモラン&展示『グループC 〜夏の鈴鹿耐久決戦〜』
※第5戦の大会特別規則発行前のため、第2戦の大会特別規則をもとにまとめております。

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