2024/10/25
初心者向けガイド
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STEP1「SUPER GTってどんなイベント?」
国内レース最大級の観客動員数を誇るカーレース!
高性能の市販車をベースにしたレース専用車両を使用し、「GT500」と「GT300」という2つの規格が異なるクラスの車両が混走する形で行われるのが特徴の自動車レースシリーズ。国内の大規模なサーキットで年間8戦前後が行われ、各レースで獲得するポイントで年間チャンピオンを争う。シリーズ中の成績に応じてハンデとなるウエイト(重り)の積載や燃料の流量制限が課されるなど、各車両の性能を拮抗させる演出もなされ、白熱したレース展開が人気で、国内レース最大級の観客動員数を誇っている。
今回開催される「2024 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 300km RACE GRAND FINAL」は、8月31日(土)・9月1日(日)に開催予定だった第5戦が、台風の影響により開催が12月に延期されたため、鈴鹿サーキットでは実に2005年以来となるシーズン最終戦"GRAND FINAL"として開催される。
- 「GT」カーって何?
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「SUPER GT」の"GT"は英語の「グランドツーリング(Grand Touring)」の略。
ゲームのタイトルにもなっている「グランツーリスモ」はそのイタリア語だ。
グランドツーリングカー、すなわちGTカーとは本来は「長距離を速く快適に走行できるクルマ」という意味で、様々な解釈があり厳密な定義は無いが、主に運動性能の高い市販車の一つのグレード(車両の格)を指すワードとして使われている。
そのGTカーをレース用に更に速く走ることができるように改造したマシンで行われるのがGTカーレースで、その最高峰が「SUPER GT」という訳だ。
- GT500とGT300の違いは?
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冒頭で説明した通り、SUPER GTは「GT500」と「GT300」という2つのクラスの車両が混走するのが特徴となっている。この2つのクラスには10秒以上の速度差があるため、徐々にGT500クラスがGT300クラスを周回遅れにして入り乱れ、レースは複雑に進行していく。
さて、このGT500とGT300の違いを説明しよう。
「GT500」は元々約500馬力のエンジンを搭載する上位クラス、「GT300」は約300馬力のエンジンを搭載する下位クラスのカテゴリとして設定された。現在ではこのクラス名の由来となっている馬力とは出力は異なっているが、"500"と"300"は分かり易いクラス名称として現在も使われている。
GT500はHonda・TOYOTA・NISSANの各メーカーが誇る高性能GTカーのシルエットをイメージしたボディを纏っているが、中身はGT500専用の共通シャシー(車体)に2000ccの直列4気筒直噴ターボのNRE(ニッポン・レース・エンジン)規格のエンジンを搭載したSUPER GTの独自規格のマシン。GT500クラスの鈴鹿サーキットのコースレコードは2022年に国本雄資がTOYOTA GR Supra GT500で記録した1'44.112。いわゆるハコ車(市販車ベースの屋根のあるレーシングカー)の中では圧倒的に速く、国内レースでは、フォーミュラカー(タイヤがむき出し・屋根無し・単座のレース専用マシン)レースを含めても、日本最高峰のフォーミュラカーレースであるSUPER FORMULAに次ぐタイムというから驚きだ。
GT300は少し複雑で、「GT3」「JAF-GT300」「GT300MC(マザーシャシー)」の3つの規格からなり、GT500クラスと比較して非常に多彩なマシンが揃っている。それぞれの詳細はここでは省くが、性能の差が大きくならないように、車種ごとに出力制限や重量調整によって戦闘力を均一化するルールがあるため、特定の規格・マシンが突出するということはない。GT300クラスの鈴鹿サーキットのコースレコードは2018年に中山 雄一がLEXUS RC F GT3で記録した1'55.531で、GT500とは11秒ほどの差があるものの、このタイムは全ハコ車レースの中でGT500クラスに次いで堂々の2位だ。
- SUPER GTってどんなルール?
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SUPER GTの主なルールを紹介しよう。
■複数ドライバー制
必ず1台のマシンを2人以上のドライバーで走らなければならない。レースの走行距離 が250〜300kmの場合は、ドライバーは2人組。GTA(GTアソシエイション、SUPER GTの統括団体)が別途定めた場合は、3人目のドライバーも認められる。
予選のQ1(1次予選)とQ2(2次予選)は、それぞれ別の選手が走らなければならない。
決勝レースでは、1人目のドライバーがスタート、周回を行いピットに戻り、他のドライバーに交代して、1レースを2人以上で走らなければならない。また1人がレース走行距離の3分の2を超えてはいけない。
■シリーズポイント
SUPER GTは1年間のシリーズ戦で行われ、GT500クラスとGT300クラスそれぞれにドライバー部門とチーム部門のタイトル(チャンピオン)が懸かっている。
各戦の競技結果に対して、シリーズポイントが与えられ、全大会のシリーズポイントを合計して、 最も多く獲得したドライバー、チームがシリーズタイトルを獲得する事となる。
ドライバー(組)のポイントはクラス別、競技車両(ゼッケン単位)別に与えられる。
■サクセスウェイト制
参戦する車両には、搭乗するドライバーの通算ポイントに応じたサクセスウェイト(車両最低重量に加算する重り)が搭載される。
2人のポイントが異なる場合は、多いポイントを採用する。これは各クラス内で車両性能を均衡させ、チームの総合力で競えるようにするため。
なお GT500クラスでは、サクセスウェイトが50kgを超えた場合、競技の安全性の観点から燃料流量を制限してエンジン出力を抑えた上で、追加ウェイトが50kg以内になるようにする。
■予選
予選はクラス別に、Q1(1次予選)とQ2(2次予選)という2段階のノックアウト方式(タイム順による勝ち抜き)で 行われる。
Q1とQ2は別のドライバーが走り、途中で交代はできない。
GT300クラスのQ1は前戦のチームランキング(第1戦は前年のランキングに準じる)に基づきA組とB組の2組に分かれ、 各10分間で行う。Q1の結果でGT300クラスは16台(各組の上位8台)、GT500クラスは上位8台がQ2へ進出できる。
決勝レースのスターティンググリッド(各車のスタート位置)はQ2の1位が予選1位(ポールポジション)となり、以降はQ2の順位となる。
Q2に進出できなかった車両はQ1の順位で決定する。
タイヤはQ1で1セット、Q2で1セットを使用できるが、走行が始まってからの交換は禁止。大会オフィシャル(競技運営の係員)から「ウエット宣言」が出された場合は、ウエット(レイン)タイヤへの変更ができる。
■決勝
決勝レースのスタート手順では、まず予選で決まった順位で、ポールポジションを先頭に2列のスターティンググリッドに静止する。この時、GT500クラス全車が前に、続いてGT300クラス全車が並ぶ。
スタート時間になったら、2列の隊列を組んでオフィシャルカーの先導(約80〜90km/h)でフォーメーションラップというレースの周回数に含まれない事前走行を行う。
フォーメーションラップの終了の直前に先導のオフィシャルカーが退去し、スタート合図のグリーンシグナルが点灯したら速度制限は解除。そのまま各車がスタートラインを通過した時点でレース開始となる「ローリングスタート方式」でスタ―トする。但し、スタートライン通過までは追い越しは禁止。
GT300クラスの先頭車両は、GT500クラスの最後尾と適切な間隔を空けて走行し、GT500クラスのスタート後に、同じ手順でスタートを行う。
■ドライバー交代とピット作業
決勝レースでは、ドライバー交代を伴うピットインを必ず1回以上行わなくてはならない。
ピットインでは、燃料補給やタイヤ交換も可能。
この際、競技車両に触って作業できるのは、メカニック5名とドライバーのみで、タイヤ交換は2名で行う。また燃料補給とタイヤ交換は同時に行えない。
タイヤ交換は義務ではないので、無交換や2本交換などピット作業の時間短縮をはかる作戦を行うこともできる。
- どんな選手がいるの?
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日本最高峰のGTカーレースシリーズ、SUPER GT。ドライバーも当然トップレベルの選手ばかり。
今回はGT500クラスのHonda・TOYOTA・NISSAN各陣営で今季上位を争っている3チーム6名をご紹介しよう。au TOM'S GR Supra
STANLEY CIVIC TYPE R-GT
Niterra MOTUL Z
- 最終戦の見どころは?
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■2005年以来!久々に鈴鹿サーキットで行われるSUPER GT最終戦
SUPER FORMULAでは最終決戦の地のイメージが強い鈴鹿サーキットだが、SUPER GTの最終戦が最後に行われたのは何と2005年。それ以降は意外にも一度も最終戦は行われていない。
なおこの2005年は、1994年~2004年にかけて行われていた「全日本GT選手権」からSUPER GTに体制が変わった記念すべき初年度だった。20年近い時を経て、鈴鹿サーキットで行われる最終戦は一体どんな展開になるのか、注目が高まっている。
■冬季開催の影響
12月にSUPER GTの公式戦が行われたことは過去に無い。
クリスマスまであと2週間ちょっとというタイミングは、鈴鹿サーキットもなかなかの寒さになる。
一般的に気温が低いとよりエンジンパワーが増え、速くなることからコースレコードが次々と塗り替えられるような高速バトルになる可能性は十分にある。
これまでの鈴鹿のコースレコードは、GT500は2022年第3戦でWedsSport ADVAN GR Supraの国本雄資が記録した1分44秒112。GT300に至っては、2018年にK-tunes RC F GT3をドライブした中山雄一が記録した1分55秒531から破られていない。
天候が良いこと、またタイヤがきちんとウォームアップされることが条件だが、GT500ならQ2で1分42秒台以上も狙えるのではないだろうか。いずれにしろ、公式予選から見逃せないだろう。
■サクセスウエイト無しのガチンコ勝負
STEP1「SUPER GTってどんなルール?」でも触れている通り、SUPER GTには「サクセスウエイト」という、シーズン中の成績に応じてクルマに重りを積んでよりエキサイティングなバトルを促すシステムがある。
だがルールで「8戦目はサクセスウエイトを積まない」と規定されているため、今回実質的に8戦目となる鈴鹿最終戦ではどのチームのマシンもウエイトを積まずに走ることになるのだ。
前述の通り、ただでさえ低温ではエンジンパワーが出やすいこともあり、そこにウエイト無しが加わると凄まじいタイムが出る可能性もある。
そして実力のあるチームはウエイトに悩むことも無いため、王者を争う戦いはより熾烈になることが予想される。
このように例年の鈴鹿戦とは全くことなる環境で行われる最終戦の展開は予想が付かない。一体チャンピオン争いはどうなるのか、ぜひしっかりと準備をした上で、現地で自分の目で確かめて欲しい。
STEP2「チケットはどれを買えばいい?」
レースイベントを観戦するためには、そのイベントの「チケット」を購入する必要がある。ただチケットには色々な種類があるので「チケット一覧を見てもどれを購入したら良いのか、よくわからない…」と言う方も多いはず。
そんなわけで、SUPER GT初観戦の方や、初心者におすすめのチケットを紹介しよう。
■まずはエントリーチケットの『自由席観戦券』で観戦出来る場所を確認しよう
まずは基本的な観戦券の種類と価格を確認。人気レースだけあって、SUPER GTの観戦券は鈴鹿サーキットの他のビッグレースと比較してもなかなかの価格だ。特に当日券は結構割高になるので、12月6日(金)までに前売券を購入しておくことをおすすめする。自由席観戦券
前売券 | 当日券 | ||
---|---|---|---|
定価 | 定価 | ||
大人(24歳以上) | 6,500円 | 8,500円 | |
U23(高校生~23歳) | 5,200円 | 6,800円 | |
小・中学生 | 4,300円 | 5,900円 | |
3歳~未就学児 | 2,900円 | 3,800円 |
下記の観戦エリアマップで、緑色のエリア(A、C、D、E、西コースエリア)が自由席観戦券で観戦可能な場所だ。指定席と違って自分だけの決まった席はないので、これらの場所の中で空いている好きな所を選んで観戦することになる。
観戦エリアマップ
ホームストレートの後半部分にあたり、SUPER GTマシンの圧倒的なスピードを感じられる場所だ。オーバーテイク(追い越し)ポイントである1コーナーも近いので人気がある。
観戦環境の面から見ても、GPスクエアから近いため飲食も比較的楽で、裏手に常設のトイレもあるため過ごしやすい。
ASURA S字コーナーに面するC・D・E席はSUPER GTの迫力あるコーナリングを近い場所で観ることができる場所だ。ただ各入場ゲートやGPスクエアから距離があり、移動に若干歩く必要があること、飲食店も多くはないことは事前に知っておこう。
あとは広大な西エリアでも観戦が可能だ。西エリアには様々な観戦スポットがあり、写真撮影にも向いている。ただしかなりの距離を歩く必要があるので注意しよう。
■余裕があれば検討したい『エリア席』『V1・V2指定席』
観戦エリアマップの青いアイコン(Q1、Q2、B1、B2、R)の席は、エリア席。エリア席も指定席とは違い、エリア内で空いている好きな場所で観戦することになる。いずれも見晴らしが良い人気席だ。大人(24歳以上)で自由席観戦券に+2,000円で購入できる。赤いアイコンのうち、V1、V2席が指定席(R-BOXとGRAN VIEWは複数人利用前提の席。ここでは割愛する)だ。自分だけの席が割り当てられているので、当然先に取られてしまう心配は無い。更にV2席は屋根があるので悪天候でも過ごしやすく、グランドスタンド裏・GPスクエアへのアクセスも最短距離なので観戦環境も最高だ。V1指定席は大人(24歳以上)で自由席観戦券に+3,000円、V2指定席は大人(24歳以上)で自由席観戦券に+5,000円だが、それだけの価値はある。財布と相談の上でぜひご検討いただきたい。
例として、V2指定席の観戦環境をご紹介しよう。
V2指定席からの眺め
屋外のスタンド席で唯一の屋根付き指定席
メインゲートからV2席(グランドスタンド)へのルート
STEP3「どんな服装&持ち物がいい?」
もちろん自分の好きなスタイルで自由に観戦するのが基本だけど、迷うようならコレを参考にしてみて!服装
- (1)帽子
- 12月上旬でも日中は意外と日差しが強い日もある。天気や気温に応じてタイプを選ぼう。
- (2)上着とバッグ
- 12月上旬で日も短く、屋外で長時間過ごすことになるので、出来るだけ温かいスタイルで。インナーは吸湿発熱素材などを使ったものがおすすめ。上着も厚手のものを選ぼう。予想に反して日中暑くなった場合などは一枚脱げばOK。
バッグは両手が空くリュックがおすすめ。またスマホが取り出しやすいスマホショルダーやウエストポーチなどもあると便利。
- (3)手袋
- 着けたままスマホが操作できるタイプの手袋がおすすめ。
- (4)ボトムス
- 歩きやすく温かいパンツが基本。
- (5)靴
- とにかく履き慣れた、歩きやすい靴を。雨の心配がある場合は防水性のあるものだと快適。
持ち物
- (1)モバイルバッテリー
- 長時間の観戦ではバッテリーが心配になってくるので、しっかり充電した予備のバッテリーを用意しておこう。
- (2)ひざ掛け
- 屋外に長時間座ることになるので、折り畳んでバッグに無理なく入れられる程度の大きさのものがあると便利。
- (3)双眼鏡・オペラグラス
- 遠目のサーキットビジョンやリーダータワー、ピット作業などをしっかり見ることが出来る。
- (4)カッパ・ポンチョ
- 雨対策としては、傘に比べて場所を取らず、両手も空くのでカッパ・ポンチョがおすすめ。余り雨の心配が無さそうな場合でも、天気急変に備えて念のため用意しておこう。
- (5)ビニール袋
- 汗や雨で濡れてしまったタオルや衣服を仕舞う時に活躍。他でもあると何かと役立つので出来るだけ大き目で丈夫な材質のものを何枚か持っていこう。
- (6)シートクッション
- 長時間座ることも想定して、持ち運びしやすい折り畳み式のものを持っていこう。
- (7)タオル
- 特に雨の日に役立つアイテム。フードが付いた大き目のものは日除け・防寒にも役に立つ。
- (8)カイロ・携帯ヒーター
- 使い捨てでもバッテリー式のものでもOK。出来るだけ長時間持つタイプのものを持っていこう。
- (9)現金
- 会場内のキャッシュレス化は進んでいるものの、予期せぬ所で手持ちのデジタル決済方法に対応していない買い物や支払いが発生する場合もある。
- (10)イヤホン付きラジオ
- 場内の実況放送が鈴鹿のFMラジオ局「Suzuka Voice FM 78.3MHz」でも放送されるので、イヤホン付きのラジオを持っていけばどこでもクリアな実況を聞くことができる。
STEP4「どうやって行ったらいいの?」
SUPER GT開催期間は鈴鹿サーキット周辺道路の渋滞が見込まれるため、可能であれば電車やバスなどの公共交通機関での来場がおすすめ。どちらにしても、当日慌てないようにあらかじめアクセス方法をしっかり確認しておこう。
県外からのアクセス【公共交通機関】
県外からのアクセス【車・バイク】
三重県内の主要市街地からの所要時間
・四日市市街地から約40分・津市街地から約30分
・伊賀市街地から約60分
・松阪市街地から約55分
・伊勢市街地から1時間10分
※渋滞のない通常期の時間です
前売駐車券
4輪駐車場は全て前売で、当日駐車場は無いので注意しよう。 当日は少し離れた臨時駐車場の営業はある。詳しくは下記リンクからチェックしてみて欲しい。
STEP5「入場ゲートではどうすればいい?」
チケット毎の詳しい入場方法は下記リンク先のページで確認できる。