18TH JAF GRND PRIX SUZUKA

F1昇格を見据えた若手たちの“黒船”

レッドブル・ジュニアチームの存在感
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2019年もレッドブルカラーをまとったマシンがシリーズを戦っている
Photo : Honda

 モータースポーツの最高峰に君臨するF1を戦うレッドブル・レーシング。彼らにはセバスチャン・ベッテルやダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンなどを輩出してきた『レッドブル・ジュニアチーム』という独自の若手育成プログラムが存在し、将来的にF1でタイトルを獲得できる活躍が期待されるドライバーを集め、育成している。

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2017年、レッドブルからスーパーフォーミュラに送り込まれたピエール・ガスリー

 このレッドブル・ジュニアチームは、これまではヨーロッパのレースを中心に数多くの育成ドライバーを送り込んできただが、2017年に初めて全日本スーパーフォーミュラ選手権へ育成ドライバーを参戦させてきた。そのドライバーが、現在F1で活躍するピエール・ガスリーだ。

 2016年にF1直下のカテゴリーであるGP2(現在のFIA-F2)でタイトルを獲得したガスリーは、2017年にF1へステップアップすることを目指した。しかしレッドブル・レーシングと、その姉妹チームであるスクーデリア・トロロッソのシートには空きがなかったため、F1昇格はならず。そこでレッドブルはガスリーをスーパーフォーミュラに参戦させることを決めた。

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2017年のスーパーフォーミュラ最終戦予選トップ3。ガスリーはわずか0.5pt差でチャンピオンを逃したが、シーズンで2勝を挙げF1参戦の道を開いた

 この年、ガスリーは最終戦を前に2勝を挙げ、ドライバーズランキング首位だった石浦宏明と0.5ポイント差でランキング2位につけていた。このとき、すでにF1へのスポット参戦を経験していたが、スーパーフォーミュラでの王座獲得を優先し、バッティングするF1を欠場して最終戦に臨んだものの、残念ながら台風の影響によりレースは中止に。ルーキーイヤーでの戴冠とはならなかったが、日本のサーキットを知り尽くした日本人ドライバーを相手に、ガスリーはランキング2位という堂々たる成績を残した。

 スーパーフォーミュラを経験したことで大きく成長したガスリーを見て、レッドブル・ジュニアチームのトップであり、またレッドブル・レーシングのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、スーパーフォーミュラの環境を高く評価した。

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イコールコンディションによるドライバー評価のしやすさ、そして何よりそのレベルの高さ。F1に繋がるカテゴリーとしては随一の環境とも言える

 スーパーフォーミュラはHondaとトヨタの2メーカーがエンジンを供給しており、シャシーはダラーラのワンメイク、タイヤもヨコハマのワンメイクだ。かつてのGP2、現在のFIA-F2と比べてもエンジンやシャシーの均一性やメンテナンスのクオリティが高く、同一メーカー内ではほぼイコールコンディションで戦うことができるので、ドライバーの実力がレース結果に反映されやすいのが特長だ。ジュニアドライバー育成の場を探していたマルコにとって、スーパーフォーミュラはまさにうってつけのカテゴリーだったというわけだ。

 2018年の第5戦ツインリンクもてぎにはマルコ自ら足を運び、スーパーフォーミュラを視察。その際マルコは、「2019年には、ヨーロッパからドライバーをふたり連れてきたい」と熱望していた。

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ルーカス・アウアーの走り。2019年シーズン第3戦で3位表彰台を獲得したものの、それ以外では未だ目立った成績は残せておらずランキングは第5戦終了時点で11位となっている

 そしてその言葉通り、2019年シーズンはふたりのレッドブル育成ドライバーがシリーズ参戦を決定。ひとりは2018年にスポット参戦でスーパーフォーミュラにデビューしたダニエル・ティクトゥム(TEAM MUGEN)で、もうひとりは元F1ドライバー、ゲルハルト・ベルガーの甥であるルーカス・アウアー(B-Max Racing with motopark)だ。

 ところが、成績不振により第3戦スポーツランドSUGOを最後にティクトゥムがTEAM MUGENのシートを喪失。同時にレッドブル・ジュニアチームから放出されたことも明らかになり、レッドブルの育成の厳しさを知らしめることになった。

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シーズン途中からスーパーフォーミュラ参戦を果たしたパトリシオ・オワード
Photo : Takashi Ogasawara

 第4戦富士スピードウェイからは、今年の5月にレッドブルの育成ドライバーになったばかりのメキシコ人ドライバー、パトリシオ・オワードがTEAM MUGENのシートを獲得。オワードは、2018年にインディライツでタイトルを獲得し、今年はインディカーとF2にスポット参戦した実力者だ。もちろん彼も、将来の目標はF1であると明言している。

 期待されたパフォーマンスを発揮できなかったドライバーには厳しい評価を下すことも厭わないレッドブル・ジュニアチームだが、彼らが選んだ実力のある若手ドライバーがスーパーフォーミュラへ出場してくれば、当然日本のドライバーたちも黙ってはいない。互いが切磋琢磨することでレースの激しさは増すため、日本のレースファンにとってもうれしいところだ。

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2019年シーズン開幕戦表彰台、優勝はレッドブル・アスリートのニック・キャシディ。第5戦終了時点でランキングトップに立っている

 ちなみに、レッドブル・ジュニアほどのサポートではないものの、レッドブル・アスリートとしてスーパーフォーミュラでは平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM‘S)も参戦している。彼らの活躍が、その後のレッドブルでのステップアップにつながることも期待したい。

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