18TH JAF GRND PRIX SUZUKA

スーパーフォーミュラに集う世界の頂点を目指すドライバーたち

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Photo : Takashi Ogasawara

 近年、海外から全日本スーパーフォーミュラ選手権に参戦するドライバーが増えている。そのほとんどはすぐにF1でも結果を残せるようなドライバーばかりで、2016年には前年にF1直下のカテゴリーであるGP2(現在のFIA-F2)でタイトルを獲得したストフェル・バンドーンがスーパーフォーミュラに参戦。同じくGP2で2016年のチャンピオンに輝いたピエール・ガスリーも翌年にスーパーフォーミュラへ参戦してドライバーズランキング2位となっており、彼らの参戦は国内はもちろん海外でも大きな話題となった。

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2017年に参戦初年度ながらあと一歩でチャンピオンという所まで行ったのが、現トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー。

 そのバンドーンやガスリーは、スーパーフォーミュラで活躍後、いずれもF1にステップアップを果たして初年度から入賞を果たすなど活躍をみせている。また、2018年のスーパーフォーミュラ王者である山本尚貴(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も昨年末からF1のパドックを訪れるなど、スーパーフォーミュラとF1の関係はより密接になっている。

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F1第11戦、ドイツGPでトロロッソ・ホンダのピットを訪れた山本尚貴。ピット内の作業を観察し、しきりに手帳に書き込んでいた。

 もちろん今年のスーパーフォーミュラを戦う若手ドライバーのなかにも、F1をはじめとする世界最高峰カテゴリーに進むことを目指すドライバーが多くいる。今回は、世界のトップを目指して戦う若手に『将来目標とするカテゴリ』を尋ねた。
 まずは、2018年シーズンをF2で過ごした福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と牧野任祐(TCS NAKAJIMA RACING)だ。2016年から海外を舞台に戦っていた福住は、2017年にGP3(現在のFIA-F3)でランキング3位に入った実力の持ち主だ。

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2019年は日本に腰を据え、スーパーフォーミュラをはじめとする国内トップカテゴリに出場している福住仁嶺。
Photo : Takashi Ogasawara

「今は日本でF1の次に速いクルマ(SF19)に乗ってレースをしていますが、もちろんF2に出ていた昨年も、今年も、目指すところはF1しかないと思っています」
 チームメイトである山本がF1の世界へ急接近したことで、福住も思うところがあるだろう。それについて福住は、「刺激にもなりますし、日本で走っているドライバーにチャンスがあるということを尚貴さんが証明してくれたと思います。それに、尚貴さんがF1に乗っているところを見てみたいです」と明かした。

 一方、牧野は昨年行われたF2第10戦モンツァのレース2でシリーズ初優勝を飾り、今年はスーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿でいきなりポールポジションを獲得する活躍をみせている。牧野にも将来の目標を尋ねると、やはりその答えは同じだった。
「今後の目標はF1に進むことなので、スーパーフォーミュラでチャンピオンを獲って、F1へ向けたステップにしたいです。ただ、今の成績では楽観視できる状況ではありません。1戦1戦全力で戦って、後から結果がついてくればさまざまな話が出てくると思うので、まずはスーパーフォーミュラでしっかり結果を出すことに集中したいですね」

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スーパーフォーミュラ2018年シーズン開幕戦の予選トップ3。牧野任祐(中央)とアレックス・パロウ(左)が鮮烈なデビューを飾った。

 また牧野のチームメイトであるアレックス・パロウも、今年のスーパーフォーミュラでは存在感を示している。第4戦富士では雨のなかでポール・トゥ・ウィンを達成し、第5戦もてぎでは2戦連続となるポールポジションを獲得した。
 パロウは将来について、インディカーへの参戦希望を明かしており、すでにテストも経験済み。スーパーフォーミュラではシーズン開幕前のテストから速さを発揮しており、SF19への適応能力の早さも証明したパロウの今後にも注目したい。

 またトヨタ勢では、山下健太(KONDO RACING)が2019/20年シーズンよりWEC世界耐久選手権のLMP2クラスに出場している。トヨタを代表する若手ドライバーに成長した山下は、将来どのカテゴリーに進みたいのだろうか。
「昔はF1かなと思っていました。最近ではWECの話をもらうまで、日本で20年間くらいSUPER GTに乗って、立川(祐路)さんみたいに『いつになったら遅くなるの?』と言われるようなドライバーになりたいな思っていたところでした。ですが今はWECのプロジェクトに選んでもらったので、そのチャンスを活かしてLMP1クラスにステップアップするというのが現時点での目標です」

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日本では既にトップドライバーの1人であるニック・キャシディだが、更に新しい挑戦を求めてデイトナ24時間レースやスパ24時間レースなど海外の耐久レースにも積極的に参加している。
Photo : Takashi Ogasawara

 その山下と昨年までのチームメイトであり、もてぎラウンド終了時点でドライバーズランキングトップに立っているニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)もまた、世界最高峰のカテゴリーへのステップアップを目指している。
 今年はデイトナ24時間レースやスパ24時間レースなど海外の耐久レースにも積極的に参加しており、その理由を「純粋にレースを楽しみたかったし、新しい経験をしたかった。(このふたつのレースが開催される時期は)日本でレースがなかったから、新しいことに挑戦したかったんだ」とキャシディ。
 今シーズンでスーパーフォーミュラは参戦3年目となるが、このスーパーフォーミュラでの経験については「F1やル・マンといった最高峰カテゴリーに向けて、いい準備ができている」と考えているという。

 そして最後は、もてぎラウンドでスーパーフォーミュラ初優勝を飾ったITOCHU ENEX TEAM IMPULの平川亮。彼もヨーロッパで耐久レースにシリーズ参戦した経験を持っていて、最近ではレッドブルアスリートとしても活躍している。そんな平川は世界トップクラスへの挑戦について、次のように述べた。

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レッドブルアスリートの1人、平川亮。2019年はスーパーフォーミュラとSUPER GT GT500クラスに出場している。

「世界に向けてのチャンスはいくらでもあると思います。本当に飛び抜けて速いドライバーであれば、どこかのチームがそのドライバーを獲得しにくるのではないでしょうか。絶対にスーパーフォーミュラの先にもチャンスがあると思います。それがヨーロッパでのレースなのか、アメリカでのレースなのかはわかりませんし、耐久レースを含めさまざまなチャンスがあると思います。しかし、そのチャンスを掴むことは簡単なことではないと考えています。個人的には、スーパーフォーミュラは世界で一番レベルが高いのではないかと思っています。ここで結果を残すことができれば、間違いなく世界でも通用すると思います」


 各ドライバーの目指す先はF1、WEC、インディカーとさまざまだが、その目標に向けてスーパーフォーミュラで重要な経験を積んでいることは間違いない。世界最高峰カテゴリーで戦うことを夢見る若手ドライバーが、名だたるベテランドライバーたちとどう戦っていくのかにも注目だ。

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