スタートから快走し、レース序盤でほとんどのチームを周回遅れにしたクーリー/ボールドウィン。だが、レース序盤でのピット作業でトラブルが発生。ポールシッターで、2ストロークレーシングマシンのヤマハTZ750改を駆る杉本/エムデが逆転するが、この杉本/エムデもその後のピット作業で手間取ってしまい、クーリー/ボールドウィンが再逆転。
これで、194周を走破したクーリー/ボールドウィンが初代覇者となり、2位に杉本/エムデ。そして3位には、途中、ガス欠でスプーンカーブからマシンを押して戻ってきたハットン/クロスビーが入った。
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ポールポジションのクロスビーが、スタート直後から独走。しかし、すぐに予定外のピットインによってアルダナが首位に立ち、金谷がこれに続く。そして、12周目には、金谷のパートナー藤本が首位に躍り出るが、25周目のS字コーナーで転倒するとマシンは炎上してしまった。
この後、木山/阿部がトップに立つが、午後4時を前に予定外のピットイン。また、一時は2位を走ったシングルトンや、富江、和田らが相次いで転倒するなど、レースは波瀾の展開に。こうした中、安定した走りに徹したハットン/コールが優勝。ハットンは前年の雪辱を果たした。
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レース序盤の混戦からクロスビーとアルダナが抜け出す。しかしアルダナはマシントラブルでリタイア、代わってクーリー/クロスビー、ハンスフォード/ローソンのトップ争いへ。
レース中盤、ローソンが転倒、クロスビーはピット作業に手間取るなど、両チームともにタイムロスをしながらの戦いとなったが、最後のライダー交代の際、クロスビーはクーリーと代わることなくガス補給のみでピットアウト。ラップタイムは、クーリーよりもクロスビーのほうが勝っていたからの作戦で、これが奏功して優勝。ハンスフォード/ローソンは2位。初参戦のスペンサーはマシントラブルでリタイアとなった。
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アルミフレームで武装したモリワキモンスターを駆り、ガードナーが初参戦。2分14秒台という驚嘆の好タイムでポールポジションを獲得するが、キック方式マシンのためにスタートで出遅れ、クロスビー/クーリーが快調にトップを走行する。しかし、このクロスビー/クーリーはその後にリタイアし、代わって首位に立ったのは、ボールドウィン/アルダナだった。そしてこのとき、ガードナーが鬼気迫る勢いでボールドウィン/アルダナに急接近して場内は騒然とするが、なんとスプーンカーブで転倒してしまう。
その後、ボールドウィン/アルダナは、安定した走りで199周を走破して優勝のチェッカーを受けた。
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ジワジワと台風がサーキットに接近するという状況下で、史上初めてレース時間が6時間に短縮されたが、チームにとっては、レースはもちろんのこと、台風の動きが最も気にかかるレースとなる。そして、雨の激しさは時間を追う毎に増し、最終コーナーを立ち上がったところで転倒したライダーが、グランドスタンド前を水しぶきを上げながら滑り抜けるというシーンまで見られたほどだ。
この雨に、海外チームをはじめとする主力チームは、次々と転倒とトラブルでリタイアしていき、優勝は飯嶋/萩原の日本人ペアのものとなると同時に、4位までを日本人ペアが占めた。
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クロスビー/フィリス、サミン/ペルネ、ラフォン/イゴア、モアノー/ユービンが接近戦を展開するが、午後2時30分過ぎにペルネがスプーンカーブで転倒、続いてクロスビーはマシントラブルに見舞われて脱落。これで、トップ争いはカワサキ・フランスのラフォン/イゴアとスズキ・フランスのモアノー/ユービンの一騎打ちとなる。だが、その後にラフォン/イゴアのマシンからオイル漏れが発覚し、これでモアノー/ユービンが独走態勢を固めるが、そのモアノー/ユービンは電気系トラブルに襲われ、チェッカーまで約20分となったところで予定外のピットイン。しかし、それまでに築いた十分なマージンにより、190周を走破して優勝した。
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TT-F1の排気量が、上限1000ccから750ccに変更になったことを受け、この年から8耐に登場するマシンも、最大排気量が750ccとなった。そして、前年からこのレギュレーションを見据えていたホンダが、5台のワークスマシンを投入すると、そのなかのロッシュ/ガードナー、ボールドウィン/マーケルがレース終盤でトップ争いを展開する。だが、115周目にロッシュが転倒し、優勝はボールドウィン/マーケルのものとなった。一方、4位を走行していたヤマハXJ750を駆る上野/河崎は、チェッカーまで残り10分でマシンがストップ。しかし、止まった場所がゴールライン直前であり、上野はマシンを押してチェッカーを受け、5位を獲得した。
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1983年にGPを引退したロバーツが、平とペアを組み復帰し、ポールポジションを獲得する。そして、スタートでは大きく出遅れ、最後尾にまで順位を下げたロバーツ/平だったが、驚愕の追い上げを見せると、なんと38周目にはガードナー/徳野から首位の座を奪ったのである。だが、チェッカーまで残り約30分となったところで、平が突然のスロー走行。惰性で最終コーナーを下ってきたマシンは、グランドスタンド前でついには止まってしまったのだ。これで、ガードナーが8耐初優勝を達成して、その後の8耐ヒーロー伝説の第一歩を記したが、一方で、平にとっては、90年に悲願が達成されるまでの、悲運伝説の始まりでもあった。
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ポールシッターのガードナー/D.サロンがスタートとともに快調に飛ばし、3時間を経過した頃には、同一周回数を走行するのはロバーツ/ボールドウィンのみとなった。さらにスタートから約5時間、そのロバーツ/ボールドウィンのマシンにトラブルが発生、逆バンクでストップしてしまった。これで、完全に首位独走となったガードナー/D.サロンは、2位のドーソン/マギーに2周差をつける197周を走破して優勝。ガードナーは、初の8耐連覇を遂げたライダーとなった。また、3位には辻本/シュワンツが入り、平はD.サロンの兄、C.サロンとペアを組み出場したが、こちらは途中リタイアに終わった。
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8耐直前のGPで平が負傷。このため、平はライダーとしてではなく監督としてチームを指揮することになったが、そのウイマー/マギーが200周を走破して優勝し、平は監督として8耐初優勝を遂げることになった。レース中盤までに、ポールシッターのガードナー/D.サロンが首位を確立するが、その後にD.サロンがデグナーカーブで転倒を喫して脱落。これでトップに立ったのはヨシムラのグッドフェロー/高吉だったが、高吉はチェッカーまで約5分のところで痛恨の転倒。これでウイマー/マギーが首位に立つと、そのまま優勝のチェッカーをくぐり抜け、ヤマハにとっても、これが8耐初制覇となった。
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