F1

鈴木亜久里

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初めて鈴鹿を走ったのは、F3(全日本F3選手権)のときかな。コーナーが多くて、覚えるのが大変だった記憶がある。「あれ? 次、どっちへ曲がるんだったっけ?」という感じ(笑)。チャレンジングなコーナーがいっぱいあるうえ、リズムが必要で、ひとつズレると全部ズレていってしまう感じで、とにかく難しいけど、やっぱり面白くて好きなコースだな。

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建設されて60年経ってもいまだに面白いと思えるのはすごいよね。60年前のオートバイやクルマは、いまのオートバイやクルマとは次元がまったく違うはずなのに、いまでも面白いんだからやっぱりすごい。

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1988年のF3000で星野一義さんと争ったのは記憶に残っているよね。あそこには入ってこないだろうと思ったけど、星野さんの性格だから「自分の身体が入れれば入れるだろう」と思って入ってきたんだろうな(笑)。新しく設計されたコースは安全ばかり優先してストップ・アンド・ゴーばかりのサーキットになってしまってあまり面白くないけど、鈴鹿はこの先もずっと面白いコースであり続けるだろうね。

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1990年のF1日本グランプリでは前戦のスペインGPでポイントを獲得してからだから、いい形で鈴鹿に入って、最初の走り出しから良い感じで、これはイケると思った。

あのレースは9番手からスタートして、(アイルトン)セナと(アラン)プロストがいなくなったから7番手、次の周に(ゲルハルト)ベルガーがいなくなって6番手、その後に(デレック)ワーウィックを抜いて5番手と、そこまでは分かっていたけれど、その後になぜウイリアムズが後ろになったのかは、追い抜いていないからよく分からなかった。だから「なんで3番手なのかな?」と思っていた。でも「まぁいいか!」という感じだった(笑)。

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スタートのときはブラジルの旗ばっかりだったのに、レースが終わってコースを1周するときにすごい数の日の丸が観客席に見えて「日の丸があるならスタートのときから出してよ」と思ったね。気持ちよかったけれど、何か夢を見ているみたいな気分だった。

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今年のF1日本グランプリは盛り上がるんじゃないかな。2年ぶりだし、角田裕毅も母国凱旋レースで帰ってくるからお客さんもたくさん入ると思うから楽しみだね。角田は見たいけど、やっぱり“F1”を見たいよね。角田もすごい頑張るだろうし、彼にとってもすごく大きな1レースになると思う。

鈴鹿サーキットは、日本モータースポーツの宝。これから先の数十年も、ずっと日本にあってほしい。インディ500が開催されるインディアナポリスと一緒で、日本モータースポーツの聖地だからね。

鈴木亜久里

■鈴木亜久里(すずき あぐり)
1960年生まれ、東京都出身。1988年に全日本F3000選手権チャンピオンに輝くと、同年の日本GPでラルースよりF1デビューを果たした。1990年日本GPでは日本人初のF1表彰台登壇となる3位を獲得。1998年より自チームのARTAを率い、国内トップカテゴリーへ挑戦を開始。2006年にはスーパーアグリF1チームを立ち上げ、2008年第4戦までチームオーナーとしてF1を戦った。現在もARTAを率いてSUPER GTのGT500、GT300の両クラスに参戦している。