
『スプリントで最も勝っているドライバーは誰?』『スプリントを制したドライバーは、日曜日の決勝でも勝つ?』そんな疑問を持ったことはないだろうか?今回は、2026年第17戦シンガポールGPまでに行われた全F1スプリント30戦の結果から、その見どころを紹介する。通算勝利数に加え、シーズンごとの変化にも注目すると、2つのレースを見比べる楽しさが見えてくる。

スプリントの通算勝利数でトップに立つのは、14勝を記録しているマックス・フェルスタッペン。続くランド・ノリスとジョージ・ラッセルは各4勝、オスカー・ピアストリは3勝なので、フェルスタッペンのスプリントでの強さは際立っている。
これに続くドライバーは、2勝のバルテリ・ボッタス。そしてセルジオ・ペレス、ルイス・ハミルトン、アンドレア・キミ・アントネッリが各1勝を記録しており、これまでに8人のドライバーがスプリントの勝者となっている。まずはこの名前を覚えて、次のスプリントで誰が勝利を加えるのかに注目してみよう。

チーム別の通算勝利数では、レッドブルが15勝でトップ。全30戦のちょうど半数を制している。メルセデスとマクラーレンが各7勝で続き、フェラーリが1勝を記録している。
ただし、通算記録と、その時点での勝利の傾向は同じとは限らない。シーズンごとに結果を分けてみると、2025年までと2026年では、スプリントの勝者にも変化が見られる。

2021年から2025年までに行われたスプリントは24戦。そのうちレッドブルが14勝を挙げ、フェルスタッペンだけで13勝を記録した。この期間のスプリントの半数以上を制したことになる。ただし、ノリスがチャンピオンとなった2025年単年で見るとマクラーレンが3勝、レッドブルが2勝、フェラーリが1勝となり、勝利を複数のチームで分ける形となった。
そして2026年、F1は車体の空力とパワーユニットの両方で大きなレギュレーション変更を迎え、スプリントの勝利数にも明確な変化が表れている。シンガポールGPまでのスプリント6戦では、メルセデスが4勝、マクラーレンとレッドブルが各1勝。メルセデスの内訳はラッセルが3勝、アントネッリが1勝となっている。
一方、スプリントが行われた6つの週末のグランプリ決勝では、アントネッリが中国、マイアミ、カナダの3大会を制した。同じメルセデスでも、スプリントで勝利を重ねたラッセル、グランプリ決勝で3勝を挙げたアントネッリと、レース長で傾向が異なる点も興味深い。
さらにシンガポールGPでは、フェルスタッペンがスプリントと決勝の両方を制し、2025年第19戦アメリカGP以来となるスプリント&グランプリのダブル優勝を達成した。2026年のスプリントではメルセデスが最多勝を記録する一方、通算最多勝のフェルスタッペンも勝利を加えている。

ではシンガポールGPのフェルスタッペン同様に、スプリントの勝者が日曜日の決勝でも勝つ確率はどの程度だろうか?
過去30戦で、同じドライバーがスプリントと決勝の両方を制したのは11回。割合は約37%となる。残る19回は、2つのレースで異なるドライバーが勝利しており、意外とダブル優勝はハードルが高いことがわかる。
2026年シーズンは、オランダGPまでのスプリント5戦ではすべての週末で勝者が異なり、シンガポールGPが初めて同一ドライバーによるダブル優勝となった。
スプリントの結果を知ったうえで、「決勝でも同じドライバーが勝つのか」「別のドライバーが勝利をつかむのか」と追いかけてみる。そんな楽しみ方ができるのも、2つのレースがある週末ならではだ。

ダブル優勝の割合は約37%。それでは、優勝だけでなく、決勝の3位以内まで範囲を広げるとどうだろうか?
スプリント勝者が決勝でも表彰台に上がったのは、優勝を含め30戦中23回。約77%で、4分の3を超える結果となっている。スプリントを制しても、決勝での優勝が約束されるわけではないが、高い確率で決勝の表彰台には立っていることが分かる。
2027年の日本グランプリでは、土曜日のスプリントと日曜日の決勝、2つのレースを楽しめる。 通算勝利数を伸ばすドライバーが現れるのか、それとも新たな勝者が生まれるのか。そして、スプリントの勝者は、決勝でも表彰台に立つのだろうか。
土曜日に注目するドライバーを見つけ、その走りを日曜日まで追いかける。鈴鹿での2つのレースを、ひと続きの楽しみとして味わってほしい。
※集計は2026年第17戦シンガポールGP終了時点の全30戦。決勝表彰台率は優勝を含む。開催年によってスプリントの競技方式は異なる。