SUZUKA 10 HOURS

同じGT3カーでも違う? エンデュランスキットとは

SUZUKA 10H・ちょっとディープに解説(3)
Intercontinental GT Challenge
Intercontinental GT Challenge

 GT3カーの“世界一決定戦”と言えるSUZUKA 10Hは、GT3カーを生んだSROモータースポーツ・グループの協力のもと、世界共通のルールと鈴鹿10時間のオリジナルのレギュレーションが採用されている。SUZUKA 10Hに参戦するチームも多いSUPER GTとは異なる部分も多く、実はSUPER GT用のクルマと、SUZUKA 10Hのクルマではちょっと違う部分もある。

 GT3カーは自動車メーカー、もしくはメーカーに委託されたマニュファクチャラーが製作し、ユーザーが購入してレースを戦うレーシングカーだ。メーカー、もしくはマニュファクチャラーが公認を取得したら、そこから改造することはできないのが原則で、SUZUKA 10Hに参戦するときも、基本は改造不可となっている。

 GT3カー創生期の頃は、ヨーロッパに拠点を置くメーカーのマシンは、東アジア、東南アジアの高温多湿な気候にトラブルが起きたりとかなり苦戦していたが、これも改造不可なGT3カーならではの話。現在はSUPER GT等のレースで得られたデータにより、そのあたりもしっかり対策されている。

 ちなみにSUPER GTでは、公認を取得した状態から“いじれる”部分がある。ホイール等はサイズが合っていればブランドを変えることができるし、小さい部分ながらドライバー交代補助用の紐を装着することなどが認められていたりする。

 そんなGT3カーには、2種類のパッケージが用意されていることはあまり知られていない。GT3カーを購入する多くのユーザーが多岐に渡るレースで使用することを考えているため、短距離レースに使用するスプリント用パッケージと、長距離レース用のエンデュランスパッケージが各車両ごとにあるのだ。エンデュランス用パッケージの主な内容は、駆動系や、夜間走行に向けたライトポッドを装着したバンパー等のパーツ群。もちろん両方とも公認を得ていなければならない。

 “世界一決定戦”と言えるSUZUKA 10Hには、実際に購入したチームが参戦するのが原則。いわゆる『ワークスチーム』というものは、基本GT3レースではタブーだ。ただ、限りなくワークスに近いチームは数多く参戦する。彼らは勝利のためにメーカーと強い関係にあり、好結果を残し多くのカスタマーにGT3カーの優秀さをアピールする、販売促進の側面を担っているのだ。もちろん好結果を残すことで、一般ファンへのブランド認知度向上も担っている。

 こういったGT3活動のメインと言えるのはヨーロッパメーカーだが、彼らは強力なチームをいかに“囲い込み”、クルマを買ってもらうかをかなり重視している。そのためのサービスの体制も充実しており、パーツの世界的なサプライ体制の構築、現地ディーラーとの関係強化、エンジニア派遣、そして“サービス”としてマシンのことを知り尽くすワークスドライバーを派遣したりする。

 ある意味、そういったシーンが数多く見られるのも、インターコンチネンタルGTチャレンジの一戦であるSUZUKA 10Hならでは。世界屈指のコースである鈴鹿を制することの重要性は、日本メーカーよりも海外メーカーの方が理解しているように感じられる。そういった近年のレーシングカービジネスの側面もぜひご覧頂きたい。

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