2018 AUTOBACS SUPER GT Round3 SUZUKA GT300km Fan Festival

8年ぶりの“スプリント”。300kmの第3戦は過去最高のSUPER GT鈴鹿戦になる!?

8年ぶりの“スプリント”。300kmの第3戦は過去最高のSUPER GT鈴鹿戦になる!? 写真提供:Takashi Ogasawara
  岡山で迎えた第1戦を終え、2018年のSUPER GTがいよいよ幕を開けた。今後のレースでも非常に激しいレースが展開されそうだが、今季最も注目のラウンドになりそうなのは、5月19日(土)、20日(日)に行われる鈴鹿サーキットでの第3戦だろう。昨年までは1000kmというレース距離で争われていたが、今年は2010年以来となる『300kmでの鈴鹿』となる。いったいどんなレースになりそうなのか、GTドライバーをはじめ関係者に話をきくと、『過去最も激しい鈴鹿でのSUPER GT』になりそうな2018年のレースの姿が見えはじめた。

■5月&第3戦開催で、世界最速のGTレースがさらに速く


 今季はその速さ、激しさに惹かれ元F1ワールドチャンピオンのジェンソン・バトンがフル参戦を決めたように、SUPER GTはGT500が世界最速のGTカーであり、タイヤコンペティションの存在によって、GT300に使用されるGT3カーは世界で最もハードな戦いを強いられている。

 そして、鈴鹿サーキットという舞台は多くのF1ドライバーが語るように、世界屈指のチャレンジングなコース。「鈴鹿で何秒……」というのは世界的な速さのバロメーターだ。これまで真夏の祭典として開催されてきた鈴鹿1000kmでも驚異的な速さの戦いが展開されてきたが、今年は5月開催、そして第3戦の開催になり、その速さに磨きがかかりそうだ。

「正直に言ってしまえば、今まで僕たちHonda勢はあまり感じて来なかったのですが、LEXUSやNISSANは今まで燃料リストリクターがつらい状態で鈴鹿に来るのが続いていたんですよね」と語るのは、ジェンソン・バトンのチームメイトである山本尚貴(RAYBRIG NSX-GT)。

8年ぶりの“スプリント”。300kmの第3戦は過去最高のSUPER GT鈴鹿戦になる!? 写真提供:Takashi Ogasawara
 昨年まで、鈴鹿1000kmは第6戦として開催されてきた。SUPER GTは全8戦の戦いだが、第6戦はシリーズ特有のウエイトハンデが最も重くのしかかる状態だった。それが第3戦の開催になることで、ハンデを積んでいるマシンが少なくなるということだ。

「8月開催のときよりも優勝を目指してくるチームが多いのが大きく違いますね。けっこう熾烈な戦いになると思います」

 また、SUPER GTに対し豊富な知見をもつSUPER GT GT300クラスに参戦する富田竜一郎(Hitotsuyama Audi R8 LMS)はこう推測する。

「これだけ涼しい時季になるということは、レコードラッシュは間違いないと思います。世界最速のGTカーによる本気のレースが鈴鹿で観られるのは、この第3戦だけだと思います」

 これらの意見については、星野一樹(GAINER TANAX triple a GT-R)も片岡龍也(グッドスマイル 初音ミク AMG)も同様。「予選から鈴鹿のコースレコードをバンバン更新するような戦いになると思います。お客さんは予選から観に来ても楽しめるのではないでしょうか(星野)
「今までは長い距離を重い状態で走っていた。そういう意味では、勝てる可能性をもって鈴鹿に来られるので、近鉄白子駅を降りる気分が違う(笑) (片岡)

 実際に、4月16日(月)、17日(火)に行われた公式テストでは、GT500 もGT300 も非公式ながらコースレコードが大幅に更新された。5月になればわずかに気温は上がるはずなので、テストほどのタイムは出ないかもしれないが、実戦ならではの“本気度"が相まって、予選から世界最速の戦いが展開されるはずだ。

■300kmになってレースは激しく


また、今季1000kmから300kmに変化することで、「よりレースが激しくなる」という意見も多く聞かれた。

「1000kmよりも1スティントの距離が短くなるので、タイヤもアグレッシブに振れるし、頭を使うというよりも、すぐにレースが終わってしまうので、アグレッシブにいかなければいけない。スピード域も高いし、コース幅も狭いので、GT500もGT300もより激しくいくと思います。だからみんなの気持ちが『トガった』レースになると思いますね(山本尚貴)

「長丁場の1000kmでは様子を見ていくところも多かったけど、300kmは耐久じゃないので、みんなガチのスプリントになると思いますね。1000kmだったらピットの戦略等もありますが、そういうのもなくなる。ひさびさのスプリントの戦いは面白いと思いますよ(Modulo KENWOOD NSX GT3・道上龍)

8年ぶりの“スプリント”。300kmの第3戦は過去最高のSUPER GT鈴鹿戦になる!? 写真提供:Takashi Ogasawara
「普通にバトルするよりも1周目に順位を上げる方が早いので、そういう戦いは増えるでしょうね。でも、みんなが同じ気持ちだとリスクは増えると思います(GAINER TANAX triple a GT-R・吉田広樹)

「1000kmと違って1ピットしかない分、その勝負も激しくなるし、すぐに抜いていかないとレースが終わってしまうので、バトルは激しいでしょうね。距離が短い分、その瞬間、瞬間が見逃せないものになる。鈴鹿はコース幅も広いわけではないので、GT500と絡むのも怖いですし、ピンチでもありチャンスにもなります(HOPPY 86 MC・松井孝允)

 これらの意見からも伝わるとおり、今までの鈴鹿1000kmでは長丁場である分、その瞬間で無理をしなくても、レース後半で挽回のチャンスがあった。しかし、他ラウンド同様の300kmでは、躊躇していてはそれが決定的な差になってしまう。

「今までも1000kmといっても、かなりスプリントの要素が強かった。でもそれが300kmとなるということは、かなり激しいレースになると思います」というのは富田だ。

「今年はGT500もGT300の差が全体的にすごく詰まっている。第1戦岡山でも、GT300に500の集団が追いついたときはすごいことになっていたじゃないですか。あれが鈴鹿で起こると考えると、過去いちばん激しい鈴鹿のGTになると思いますね」

■鈴鹿ならではの難しさも


 もちろんこれらの要素は、他のラウンドの300kmのレースでも起こりうる話。ただいろいろな話を聞いてみると、鈴鹿はそのコースの特殊性から、他のラウンドでは観られないような戦いになるのかもしれない。

 まず挙げられるのは、鈴鹿が戦う側に求めるものが大きいということ。HOPPY 86 MCの土屋武士監督は、鈴鹿についてこう語る。

「クルマにもドライバーにも要求値が高いサーキットなので、本当に速いドライバー、クルマが予選では前に来る。いまGTがすごく僅差の争いになっているので、GT500は本当にドライバーの意地をかけての勝負になっているし、GT300もどんどん層が厚くなって、そういう戦いに足を踏み入れている」

 また、タイヤへの攻撃性が強いのも特徴。過去の1000kmでも、タイヤトラブルに見舞われたマシンがスローダウンしているシーンが数多く見られた。

「ここはタイヤへの攻撃性も強いので、無交換もほとんどないと思う。割とみんながほぼイコールの条件で、同じような作戦をやって、本当に速かったところが勝つ……というレースになると思います」と分析するのは富田だ。

 では、GT300では得意とするHOPPY 86 MCの土屋監督に、戦略について聞いてみると、こんな返事が返ってきた。

「ウチは無交換をよくやっていて、鈴鹿1000kmでも織りまぜていましたが」と土屋監督。

「鈴鹿は『ここを制した者が本物』みたいなところがあるでしょ? ドライバーは特に気持ちが入り込んでくる。その意味では、『スピード勝負』をやりたくなるわけですよ。誰がイチバンかっていうね(笑)。頭では無交換がいいというのは思い浮かぶと思うし、他も無交換を考える人がいると思うけど、でも真っ向勝負したくなる」

8年ぶりの“スプリント”。300kmの第3戦は過去最高のSUPER GT鈴鹿戦になる!? 写真提供:Takashi Ogasawara
 また、D'station Porscheの高根裕一郎エンジニアは鈴鹿ならではの興味深い分析を語ってくれた。

「鈴鹿は、コースが長いですよね。40台が3kmを走るより、6kmのコースを走る方がすき間ができやすいんです。岡山だと全然すき間はないけど、鈴鹿だと『ここは空いているぞ』というのができるので、飛ばせるエリアができる」と高根エンジニア。

 つまり集団に入ってバトルを展開するよりも、空いているスペースを見つけて走った方がいいラップタイムを刻めるということだ。昨年の1000kmでLEON CVSTOS AMGが行ったように、あえてピットストップタイミングを前倒しする作戦もあるのかもしれない。

「また、予選は僅差なので、タイムを求めるタイヤにすると、軟らかめのチョイスになる。それでミニマムで前半スティントを走ると、後半はロングになるので、硬めにしなきゃいけないけど、それで勝負できるアベレージを刻めるかどうかですね」

「でも、ここはタイヤに厳しいサーキット。タイヤトラブルの不安もあります。夏場よりも温度としては楽ですが、今度はラップタイムが上がる。戦略的にやりたい一方でリスクがあります。タイヤメーカとしてはあんまりロングで走ってほしくないかもしれないですね」

■みんなの気持ちが『トガった』レースになる


 いずれにしろ、今年は近年の鈴鹿でのSUPER GTではなかったような戦いが展開されるのは間違いなさそうだ。山本尚貴は「みんなの気持ちが『トガった』レースになると思います」と予測する。

 また、富田は「今年、GT300がすごく面白いと思うんですよ。次にどこが勝つのか予想もつかないし、自分たちもどこで終われるか分からない。第2戦、第3戦はシーズンとしてもすごく重要で、みんなそこまで重くない状態で臨むので、みんな死ぬ気で獲りにくると思います」という。

「車種でも、1000kmではないので耐久性に自信がないクルマでもいけるかもしれないし、割とみんながほぼイコールの条件で、同じような作戦をやって、本当に速かったところが勝つ……というレースになると思います。今年は過去いちばん激しいSUPER GTのシーズンになるのは間違いない。1000kmがなくなったのは寂しいけど、300kmになった面白さはあるはず。絶対観に来て欲しいですね」

 今回話を聞くことができたすべての関係者が、300kmのSUPER GT第3戦鈴鹿は「絶対に激しい戦いになる」と口を揃える。8年ぶりの“スプリント"の鈴鹿で、いったいどんなドラマが展開されるだろうか……!?

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