スーパーフォーミュラ最終戦 JAF鈴鹿グランプリ

WTCRが鈴鹿にやって来る!
【第3回】TCRってどんなクルマ? シビックは活躍できるか?

WTCRが鈴鹿にやって来る!【第3回】TCRってどんなクルマ? シビックは活躍できるか? WTCR参戦中「Honda・シビック・タイプR・TCR」
 いよいよ10月26日(金)〜28日(日)、鈴鹿サーキットを舞台にWTCR世界ツーリングカーカップが日本で初めて開催される。今回は全日本スーパーフォーミュラ選手権との併催ということもあり、アジア最速フォーミュラとツーリングカー世界最高峰が同時に楽しめる週末となる。全日本スーパーフォーミュラ選手権は、もちろんタイトル争いが最大の注目だが、WTCRは初開催。どんな見どころがあるのか4回に分けてお届けしよう。

 3回目にお届けするのは、WTCRで使用されている車種、そして日本が誇るHonda・シビック・タイプR・TCRとのライバル関係だ。今回も文章執筆には、2017年まで開催されていたWTCC世界ツーリングカー選手権に参戦していた道上龍選手、そしてSUPER GTのチームメイトで、スーパー耐久では実際にシビックをTCRでドライブしている大津弘樹選手にご協力いただいた。

FFらしさは少ない「限界が探りやすい」TCR

 WTCRで使用される『TCR規定』は、過去にプロモーターとしてWTCCに携わっていたマルチェロ・ロッティが中心となり、2014年に「新たなツーリングカーレースを想像する」として提唱されたもの。スポーツカーレースのGT3等を参考に、性能調整でレベルを合わせ、安価なマシンの値段と性能で、たちまち世界中で評価されてきた。

 そのTCR規定を簡単に説明すると、4ドア、もしくは5ドアのボディをもつ市販車がベースで、エンジンは2リッターのターボエンジン。出力は350馬力となっている。ギヤボックスは市販、もしくはレーシングギヤボックスが使用可能で、それにより車重も異なる。駆動方式はFFだ。

 では、実際にTCRマシンをドライブしたことがある大津弘樹選手に、Honda・シビック・タイプR・TCRがどんなクルマなのか説明してもらおう。

「(SUPER GTで乗っている)Honda NSX GT3と比べると、やはりまるっきり違うクルマではあります」と大津弘樹選手。

「ただ、FFだから…という乗り方はしていないですね。FFならではの、進入のときにうしろが流れていく感じをすぐにつかむことができたので、アクセルオンには気を遣いますけど、FRとそれほど変わりなくドライブすることができています」

 また大津弘樹選手によれば、スーパー耐久でのジェントルマンドライバーとプロの「差が少ない」という。「TCRは、限界が探りやすいレーシングカーなのではないかと思います。その点では走りやすいクルマなのかもしれません」と大津弘樹選手。もちろん、その性能を最大に引き出すのは難しく、そこはプロの腕のみせどころだ。

 そんなTCRマシンで、鈴鹿を走る場合にはどこが難しいのだろうか?大津弘樹選手によれば「やはりS字が難しいですね」という。

「どうしても『FRだったらこのあたりから踏みたい!』というクリップあたりでアクセルを踏むと、フロントが逃げていってしまう。そこのリズムのとり方が難しいです。常にフロントが食っている状態で走っていかないと、タイムが変わってきてしまいます」と大津弘樹選手は教えてくれた。

車種面ではヒュンダイが優勢か。シビックの優位は安定感

 では今回の鈴鹿で、Honda・シビック・タイプR・TCRはライバルを相手に活躍することができるのだろうか。第2回目でも触れたが、今季WTCRに参戦しているマシンは下記の7車種だ。

・ヒュンダイi30N TCR
・プジョー308 TCR
・クプラTCR
・Honda・シビック・タイプR・TCR
・フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR
・アウディRS3 TCR
・アルファロメオ・ジュリエッタTCR

 今季のラインアップについて、テレビ中継の解説等でWTCRの戦況を見つめている道上龍選手は「やっぱりヒュンダイが速い」と指摘する。「そこへHondaがなんとか食い下がっているとは思いますけど、ちょっと良いときと悪いときの差が激しいですね。鈴鹿だとヒュンダイが調子いいのではないでしょうか」と道上龍選手。
WTCRが鈴鹿にやって来る!【第3回】TCRってどんなクルマ? シビックは活躍できるか? WTCR初開催鈴鹿では、ヒュンダイが優勢か!?
「観ていると、新型のシビック・タイプRはストレートがちょっとライバルに負けている印象です。逆にホイールベースも長くなっているので安定感もあり、コーナリングは速い。アウディやフォルクスワーゲンは、まんべんなくコンスタントな印象です。あとアルファロメオやプジョーは、安定感がちょっと少ないですね」

 また、これはWTCC時代から語られてきたことで、道上龍選手も指摘していたが、セダンボディはストレートスピードに伸びがあるという。アウディRS3 LMSはまさにそれで、「ニュルのストレート(ニュルブルクリンクの2kmの直線、ドッティンガー・ホーエ)なんかは抜群ですから」と道上龍選手も指摘する。鈴鹿の場合は、メインストレートやバックストレッチでの攻防に注目かもしれない。

 いずれにしろ、鈴鹿でシビック・タイプRが活躍できるかは、コーナリングの利を活かしS字を速く走り、予選で前に出ることが大事になるかもしれない。TCRと鈴鹿という未知の戦いのなか、シビック・タイプR・TCRがどんな戦いをみせるのか、大いに楽しみにしたいところだ。
写真提供:WTCR

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