スーパーフォーミュラ最終戦 JAF鈴鹿グランプリ

ディフェンディングチャンピオン石浦宏明の優勝で、2018年のチャンピオン争いは実質三つどもえ

ポール・トゥ・ウィンで王者の貫禄をみせつけた石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING) ポール・トゥ・ウィンで王者の貫禄をみせつけた石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)
 8月18(土)、19日(日)にツインリンクもてぎで行われた第5戦で2018年シーズン後半戦に突入した全日本スーパーフォーミュラ選手権。この第5戦を終えて、チャンピオン争いは三つどもえの様相を呈してきた。

 もてぎで優勝を飾ったのはディフェンディングチャンピオンで、第4戦終了時点でランキング3番手だった石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)。石浦宏明は、第4戦富士スピードウェイを終えた時点で勝利を手にできておらず、今季は苦しい戦いを強いられてきた。

 シーズン前半は、チームとして、「どちらかというと不得意にしているサーキット」でのレースが多かったことも苦戦の要因と語る石浦宏明は、タイトル防衛に向けて「もてぎは絶対に優勝しなければいけない」と背水の陣で臨んだ。

 その石浦宏明は、第5戦もてぎで王者たる貫禄を見せた。予選では、コースレコードを塗り替えてポールポジションを獲得し、今季これまでポールはおろか、フロントロウさえ獲得できていなかった状況を打破する。

 迎えた決勝レース、ポールからスタートした石浦宏明だったが、オープニングラップで3番手スタートの松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)にトップを奪われてしまう。
1周目でトップを奪われた石浦宏明はレース後半にプッシュする戦略に切り替えた 1周目でトップを奪われた石浦宏明はレース後半にプッシュする戦略に切り替えた
 それでも石浦宏明は冷静だった。松下信治攻略は時間を要すると判断すると、即座にタイヤを労わる走りに切り替え、トップの松下信治の背後で周回を重ねた。27周目を終えて松下信治がピットインすると、石浦宏明はそこから猛プッシュを開始。それまでよりも約1秒速いペースでラップを刻む。

 ただ、このとき、石浦宏明はパドルシフトにトラブルを抱えていた。シフトアップやダウンができなくなる症状が出ていて、一時はペースが大きく落ちてしまう場面も。石浦宏明も「このレースはもう終わりかな」という思いが頭をよぎったと言うが、その後は、症状が治まり、ふたたびペースを上げていった。

 そして、この全力の走りが功を奏した。石浦宏明は、52周のレースのうち40周をソフトタイヤで走りきってピットイン。ミディアムタイヤを履いてコースに復帰したときにはトップに返り咲いていた。

 レース終盤には、2番手の平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)に差を詰められたものの、石浦宏明はレースリーダーの座を明け渡すことなくトップでチェッカー。今季初勝利を挙げた。

「もてぎラウンドは非常に重要だった」と決勝後の会見で語った石浦宏明。ポイントランキングでは優勝回数の差で順位こそ3位と変わらないが、第5戦でフルポイントの11点を加算し、トップと3点差に詰め寄っている。

 一方、第4戦富士までに2勝を挙げ、ランキングトップでもてぎに乗り込んだ山本尚貴(TEAM MUGEN)は予選7番手と苦戦。決勝では、チャンピオンを争うニック・キャシディ(KONDO RACING)にオーバーテイクを許す場面もあり、結果は7位入賞。トップと3点差のランキング2位に後退した。

 この山本尚貴に代わって、ランキング首位に浮上したのが第4戦富士スピードウェイで初優勝を遂げたキャシディだ。キャシディはレース終盤にピットインを行った石浦宏明とは逆に、序盤の10周目でピットイン。ソフトタイヤで42周を走りきって3位表彰台を手にするとともにランキングトップにおどり出た。

 また、このもてぎ戦では決勝レースでファンを沸かせた平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)の存在も忘れてはならない。予選Q2で敗退し、決勝は9番手からスタートした平川は、チームに自ら提案した2ピットストップ作戦に打って出た。

 1スティント目で平川亮はソフトタイヤをチョイス。そこから2スティント目もソフトタイヤにつなぎ、最後のスティントでミディアムタイヤを履いた。

 平川亮は「(ミディアムタイヤを履く)3スティント目では勝負できないことはわかっていたので、1スティント目と2スティント目で全力を出し石浦宏明選手に追い付こうと思っていた」という。その言葉どおり、平川亮は、9番手からスタートしながら8周目には3番手につける。

 そこからピットストップで一時ポジションを下げては、コース上で巻き返す展開。最後のピットストップを39周目に行ったときには、2番手でコースに復帰し、前を走るのはピットインしていない石浦宏明のみ。

 スタンダードな1ストップ作戦を採る石浦は、レース残り12周時点でタイヤを交換、平川の前でコースに復帰する。ミディアムタイヤでは、勝負できないとしていた平川だったが、一時は約6秒あったギャップを3秒以下まで縮める快走でチェッカーを受け、2位を掴み取った。

 レース後、「今年初めて『レースをした』という感じがする」と語った平川亮。ポイントランキングでも躍進し、14ポイントで4番手に浮上している。

 一方、もてぎラウンドではルーキードライバーである松下信治が光る活躍をみせた。松下信治は予選で今季2度目の3番手を獲得。決勝でも一時はトップを走行し、トップのまま27周目でピットイン。
レース前半をリードした松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だったが、後半はペースを上げられず レース前半をリードした松下信治(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)だったが、後半はペースを上げられず
 しかし、ピットアウト後は前でバトルを繰り広げるマシンを抜きあぐねてタイムをロス。表彰台には届かなったものの、今季ベストリザルトの4位入賞でスーパーフォーミュラでの初ポイントを獲得した。
第1戦鈴鹿以来の参戦となった福住仁嶺(TEAM MUGEN) 第1戦鈴鹿以来の参戦となった福住仁嶺(TEAM MUGEN)
 同じくルーキードライバーの福住は、開幕戦以来に参戦したスーパーフォーミュラで不運に苛まれた。予選では、14番手と後方に沈むと、決勝レースではオープニングラップで接触して緊急ピットインを強いられ、その後も90度コーナーで接触しフロントウイングが脱落、再度のピットインを強いられるなど不運が相次ぎ、17位でレースを終えている。

 もてぎ戦では、表彰台に上った3人が、それぞれ異なる戦略を採った。シーズンも後半戦に入り、各チーム、各ドライバーによってタイヤの運用方法や戦略に差が出てきており、選択の幅も広がってきている。残る第6戦岡山と第7戦鈴鹿でも、2種類あるタイヤの使いこなしや戦略が鍵となる。

 また、第7戦鈴鹿については例年2レース制で争われてきたが、2018年は、通常大会と同じく1レース制に。現時点でレース距離はアナウンスされていないが、最終戦ウイナーにボーナスポイント3点が与えられるため、この最終戦を制したものがチャンピオンになる可能性が高く、SF14ラストイヤーにふさわしい戦いが繰り広げることになりそうだ。
写真提供:Takashi Ogasawara

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