■SUZUKA エンジョイ Aライ
インストラクター 福山英朗選手からのアドバイス
モータースポーツにおいて“変身ベルト”は存在しない
すべての能力は日常以上のものは出せないことを頭に入れて
エンジョイAライに限らず、こうしたレッスンでよくアドバイスするのは、“自分で思っている以上に、クルマをコントロールすることは大変なんだよ”ということですね。
モーターレーシングの世界っていうのは、一般的なスポーツと違って、生身の人間の体力を越えたエネルギーを扱い、体格差によるハンデが少ない状態で、スピード競争を実現できる夢のある世界ですが、それゆえ危険も多い世界でもあるんです。従いまして、マシンを扱う心構えとか、精神的な安定性が必要で、セルフコントロールと言われる自己制御も必要です。
突然、自分がシューマッハになったりすることはありえないのです。そうなるためには、鍛錬が必要です。『簡単にレベルアップできる変身ベルトは誰も持ってないよ』ってことです。レーシングマシンは極端な言い方をすれば、3歳の子どもだってアクセルを踏めば簡単に300km/hが出てしまいます。だからこそ、精神的な鍛錬も必要です。
このエンジョイAライは、講義で安全に走るための心構えを教わるだけでなく、2日間集中してスポーツドライビングをすることで、しっかりと土台となる部分が築き上げられるようにカリキュラムを設定しています。基礎さえしっかりしていれば、あとは鍛えた分だけ力がつきます。このエンジョイAライをきっかけにトップドライバーへと羽ばたいてほしいと思います。
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福山英朗 ふくやま・ひでお 2007年はJLMCにDUNLOP PORSCHE 997の第1ドライバーとしてシリーズ参戦、他にも鈴鹿1000kmなど、技と経験が必要とされる耐久レースをメインに活動。全日本ツーリングカー選手権、JGTC GT300といったタイトル獲得。また日本人初のNASCARトップカテゴリードライバーとして、鈴鹿を中心として幅広い経験を活かしたレッスンを行っている。 |
■SUZUKA エンジョイ Aライ
インストラクター 脇田一輝選手からのアドバイス
自分も“レーシングドライバー”となることで
初めて、トップドライバーのすごさに気付く瞬間があります
自分たちがライセンスを取った頃は、“まずレーシングカーを買って走り込んでから”っていう流れが普通でしたが、今はこうやっていきなり、短期間にAライを取れるのがいいですよね。
ただ、簡単に取得できるからといって、何も知らずに好き勝手にサーキットを走ると、怖いことが多いので、そこはぜひとも周囲のアドバイスを守ってほしいですね。それに、最初はなかなかうまく走れなくて焦ってしまうことも多いかもしれませんが、焦らずじっくりとひとつずつレベルアップを目指したらいいと思います。
しっかりとレーシングテクニックを身に付けることができれば、日頃の運転にもそのテクニックは活かせるはずです。また実際の動きを知っている状態ならば、レース観戦中に「あっ、スゴイ!」とか、そのドライバーのテクニックに感動する場面が多くなり、それをヒントにまた自分の運転に応用して、上手くなるといういい循環ができ上がります。
そのためにも、ライセンスを取っておしまい、ではなく、実際にレースにも参加してもらいたいですね。昔は必死にならないとレースはできませんでしたけど、今は楽しんでやる、趣味のレースもたくさんありますからね。
脇田一輝わきだ・かずてる
1989年にFJ1600でデビュー、92年にはオートポリス選手権でチャンピオン獲得。93年からF3に戦いの場を移してF1日本GPのサポートレースにも出場。95年はスーパー耐久クラス3シリーズ2位、96年GT300シリーズ5位をハコでも活躍し、NASCARの活動もスタート、ウインストンウエストシリーズ参戦経験を持つ。
<<SUZUKA エンジョイ Aライに参加する人へのミッション>>“Aライセンス講習はタイムを競うところではなく、レース参加への共通言語となるルールを身に付けるものです。速く走ることにだけ集中するのではなく、まわりの状況などに気を配って走行するのですが、落ちついて周囲を見てみると、今まで見えなかったことが見えてきます。このプログラムでは、そういう+αの能力を身に付けることに集中してみると、ドライビングの幅が広がるきっかけにつながるかもしれません”。