鈴鹿8耐 新時代の幕開け
優勝ラインは219周!
2016年218周で優勝したYAMAHA
2016年218周で優勝したYAMAHA

2016年、それぞれの218周

2016年の鈴鹿8耐は、決勝レース中に雨が降ることもなく、さらにアクシデント等によるセーフティーカーの介入もなかった。すなわちドライ路面での8時間バトルとなったわけだが、優勝したYAMAHA FACTORY RACING TEAMは218周を走破し、2位のTeam GREENも同一ラップだった。

 しかし、この2チームには大きな差があった。YAMAHA FACTORY RACING TEAMは最後のピットワークでマシンのスクリーンを拭き、チェーンにオイルをさすなど余裕を持っての218周だったの対して、Team GREENはギリギリで218周をクリアしている。その当時の監督のコメントもそれを物語っていて、YAMAHA FACTORY RACING TEAMの吉川和多留監督は「最後のピットワークでは、219周を狙うのではなくて優勝を最優先したので、しっかりとマシンをチェックしてライダーを送り出した。ナイトセッションなのでローズ選手にも無理はさせなかった」と語り、Team GREENの釈迦堂利郎監督は「レース前にいろいろとシミュレーションしますが、計算上でも最高の周回数でした」と語っていることからも、その差は歴然と言える。

 ただ、いずれにしてもこの218周は驚愕的なスピードであることは間違いない。レース中のベストラップを見るとYAMAHA FACTORY RACING TEAMとTeam GREENの2チームのみが2分8秒台を記録しており、3位のヨシムラは2分9秒台で1ラップ遅れ。もちろん鈴鹿8耐ではベストラップではなくアベレージスピードが重要なのだが、少なくともレース中に幾度となく2分8秒台をマークしなければ218周には届かない。
219周で優勝を狙うMuSASHi RT HARC-PRO. Honda
219周で優勝を狙うMuSASHi RT HARC-PRO. Honda

ターゲットラップ【219】

そして今年、各チームが優勝ラインに据えるのが219周だ。YAMAHA FACTORY RACING TEAMが219周に近い218周をマークしているのだから当然ではあるが、優勝候補の一角であるMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaの本田重樹総監督は「ターゲットラップは当然219周になるけれど、ピットワークやピットインのためのインラップやアウトラップのタイムを計算に入れると、アベレージで2分8秒台が必要になる。これはものすごい戦いだよ」と語る。

8時間の耐久レースでは、灼熱の太陽との戦いはもちろん、路面温度や路面コンディションの変化にも対応しなければならない。さらに周回遅れの対処も含め、ライダーにかかるプレッシャーは大きい。だが、そうしたなかでスプリントレース並みのアベレージタイムをキープしなければ、ターゲットラップ219周には届かないのだ。
EWCフル参戦中のF.C.C. TSR Honda

EWCフル参戦中のF.C.C. TSR Honda

2016年2位表彰台のKawasaki Team GREEN

2016年2位表彰台のKawasaki Team GREEN

新型の真価が試されるヨシムラスズキMOTULレーシング

新型の真価が試されるヨシムラスズキMOTULレーシング

メーカーの威信をかけた8時間

この219周に向けて、トップチームはしっかりと準備を整えてきた。YAMAHA FACTORY RACING TEAMは中須賀克行とアレックス・ローズの2人は昨年と変わらないが、鈴鹿8耐2連覇の経験を持つマイケル・ファン・デル・マークを新たにチームに迎えて3連覇に挑む。

 対するHondaのトップチームMuSASHi RT HARC-PRO.Hondaは現役MotoGP™ライダーのジャック・ミラー、Moto2™の中上貴晶、そしてエース高橋巧で鈴鹿8耐タイトル奪還を目指すが、最大のアイテムは新型のHonda CBR1000RR SP2であり、そのポテンシャルは中須賀をもってして「コーナーの立ち上がりがものすごく速い。相当に手強い存在」と警戒を高めるほどだ。

また、2016-2017 FIM EWC(世界耐久選手権シリーズ)にフル参戦しているF.C.C. TSR Hondaはドミニク・エガータ、ステファン・ブラドル、ランディ・ドゥ・プニエにライダー布陣を一新。もちろんこれは藤井正和監督の鈴鹿8耐タイトルへの並々ならぬ意欲の表れでもあるが、スピードとタフさを兼ね備えたラインアップだ。

この2チームには、公開合同テストではHRCスタッフが加わっていたが、Hondaは今大会で絶対に負けられない理由がある。今大会は第40回の記念大会だが、Hondaは過去39回の大会で10連覇を含み27勝、勝率69%というものすごい成績を収めており、連敗したの1987年・1988年の1回のみ。現在Hondaは2度目の連敗中だが、過去に3連敗はないだけに今大会には例年以上の必勝体制となっているのだ。

そして、昨年のマシンをさらに進化させたZX-10RRで挑むKawasaki Team GREENは、ピットワークでのタイム短縮をメインに219周を目指す。ライダーは渡辺一馬、レオン・ハスラム、アズラン・シャー・ビン・カマルザマンだ。

またSUZUKI系トップチームで、鈴鹿8耐の初代王者であるヨシムラスズキMOTULレーシングは全日本ロードレースJSB1000では新型マシンGSX-R1000のセットアップに苦しんできたが、公開合同テストでニューパーツを装着してこれがうまく機能。それはライバル中須賀の「一緒に走っていてフィーリングが良くなっているのが分かるほど」というコメントが物語っている。

スーパースプリント耐久へ

ターゲットラップ219。鈴鹿8耐は、優勝するためにはスプリントレース並みの速さが必要になることから『スプリント耐久』という造語が生まれたが、それはもう過去の話。7月30日(日)午後7時30分、『スーパースプリント耐久』鈴鹿8耐 新時代の王者が決まる。

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