ポルシェが2018年のインターコンチネンタルGTチャレンジ参画を発表。全戦にワークスドライバーを派遣
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写真提供:VLN
ドイツのポルシェAGは12月12日(火)、バイザッハのポルシェR&Dセンターで、世界各国で2017年に活躍したポルシェのモータースポーツ活動を讃えるパーティ『ナイト・オブ・チャンピオンズ』を開催した。この席上、2018年シーズンに向けた世界的なGTプログラムの拡大を表明しており、インターコンチネンタルGTチャレンジ(IGTC)へのワークスドライバー派遣も発表された。
GT3カスタマーレーシング向けに911 GT3 Rをリリースし、世界中で愛用されているポルシェ。インターコンチネンタルGTチャレンジにもシリーズ創設当初から積極的に関わっているが、このGT3 Rを使った2018年のレース活動については、さまざまなシリーズでの関与が発表されている。
具体的には、ル・マン24時間ウイナーのティモ・ベルンハルトが、自チームとともにドイツのADAC GTマスターズに参戦するほか、5月のニュルブルクリンク24時間レースには5台がプロフェッショナルクラスから参戦する。その他にもピレリ・ワールドチャレンジや日本のSUPER GT、IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップのGTDクラス等、各シリーズでポルシェのエンジニアとワークスドライバーがGT3 Rを使うチームをサポートする。
また、ブランパンGTシリーズ・エンデュランスカップにも全戦ワークスドライバーの参戦が決定した。トリオを組むのは、豊富な経験を誇るディルク・ベルナー、ロマン・デュマ、フレデリック・マコウィッキの3人だ。そしてこの3人は、インターコンチネンタルGTチャレンジの全レースに出場を予定しているという。つまり、鈴鹿10時間への参戦表明が行われたということだ。
ポルシェはIGTCの各ラウンドにおいて、「1組以上の911 GT3 Rでプロクラスに参戦するローカルチームをサポート」するとしている。1台以上はポルシェがサポートするGT3 Rが登場するのは間違いない。これを駆るのが先述の3人になるのか、はたまた日本チームが参戦し、プラスしてワークスサポートのチームが鈴鹿10時間に参戦するのかは、今後の続報を楽しみにしたいところだ。
さらにポルシェは、2018年に向けてGT3 Rのアップグレードキットのリリースを発表している。2016年モデル、2017年モデルに対応したもので、温度管理を最適化する新フロントリッドと空力バランスを改善するサイドフリックなどがリリースされる。外観で説明すると、フロントタイヤ前方に“カナード”と呼ばれる空気渦を発生させる2枚のプレートが追加されるほか、ボンネットのエアアウトレットが横向きに設けられていたのに対し、放射線状にスリットが設けられる。
すでにこの2018年アップグレードキットを装着した911 GT3 Rは、ドイツのニュルブルクリンクで開催されているVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)で、GT3のホモロゲーションを取得していない状態のまま、特殊車両が参加できるSP-Xクラスに参戦しデータを得ている。1月に開催されるドバイ24時間等のレースから、2018年使用のマシンが参戦を始めるはずだ。
スポーツカーレースの代表的存在であるポルシェ。鈴鹿10時間でも主役を争うことになるのだろうか…!?
text by Ryuji Hirano