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鈴鹿10時間へ来たれ!世界のGT3レーシングカー紹介その1
〜ヨーロッパのGT3カーたち〜

 2018年、鈴鹿サーキットで開催される『第47回サマーエンデュランス 鈴鹿10時間耐久レース』は、主な参戦車両として世界のGT3カーたち、そして日本車のGT3カー、JAF-GT車両が中心となる。GT3カーレースの魅力は、その車種バラエティにもある。ここで2018年8月に、鈴鹿サーキットへやってきそうな世界のGT3カーたちを紹介しよう。まずはヨーロッパ編だ。

ドイツ

自動車王国ドイツが送り出す強力マシンたち
質実剛健はGT3でも健在
 GT3レーシングカーで、多くのマシンを送り出しているのがドイツの自動車メーカーたち。「市販レーシングカー」としてのGT3カテゴリーの立ち位置をいち早く理解し、カテゴリーの歴史で欠くことができない名車たちを数多く販売してきた。現在、ドイツ車のGT3カーは4種類。いずれも間違いなく鈴鹿10時間に登場するだろう。
  • 01 アウディR8 LMS
    Audi
    かつてル・マン24時間で常勝を誇ったプロトタイプカー『R8』の名を冠した市販スポーツカー、R8のGT3レーシングカーバージョンがR8 LMSだ。市販車は2006年に、R8 LMSは2009年に当時盛り上がりをみせはじめたGT3マーケットに向けてリリースされ、巧妙なマーケティング戦略も助け多くのマシンを販売。2015年にはニューモデルも誕生し、初代・二代目で合計200台以上を販売した実績をもつ。

    現行モデルは二代目で、アウディ・スペースフレーム(ASF)と呼ばれるシャシーをベースにレーシングカー化。ミッドシップにV10エンジンを搭載する。市販車では四駆の“クワトロ”がメインだが、レーシングカーではMR化。2017年のフランクフルトショーでは、そのノウハウを市販車に活かしたモデルも登場するなど、市販車と並行して開発されている。

    販売実績が物語るようにパフォーマンスは高く、鈴鹿10時間にも多くのR8 LMSが登場するはずだ。エキゾーストノートが独特で、一度耳にしたら忘れられないはずだ。
  • 02 BMW M6 GT3
    BMW
     GT3マーケットに、当初スポーツカーのZ4を投入していたBMW。ただ、2009年に市販車が発表されたZ4の基本設計の古さや搭載していた自然吸気V8エンジンのパフォーマンス等、さまざまな事情もあり、2015年に大柄なクーペボディをもつM6をGT3マーケットに投入した。

     見た目は非常に大柄で、一見レーシングカーらしからぬ流麗なフォルムをもつが、キャビン部分をのぞき大幅にレーシングカーとして変更されており、コンパクトな4.4リッターV8の“Mツインパワー・ターボ・エンジン”をフロントのバルクヘッドギリギリの位置に搭載。ドライバーいわく「コーナリングマシン」と言うパフォーマンスをもつ。

     もちろんターボエンジン採用によるパワーも魅力のひとつで、Z4時代に苦しんだ高速コースでのパフォーマンス不足も解消している。
  • 03 メルセデスAMG GT3
    Mercedes
     メルセデスベンツは、2010年に発表したスーパースポーツであるSLS AMGとともに、レーシングバージョンのSLS AMG GT3を発表した。ブレーキング時の安定性、ビッグパワーといった特色があったが、市販車では新たに2014年、その後継モデルと言えるAMG GTが発表されたのにともない、2015年に同じくレーシングカーとしてAMG GT3が発表された。

     先代のSLS AMG GT3よりも若干コンパクトなサイズとなり、レーシングカーとしてもコーナリング性能を高めている。SLS AMG GT3のときに特徴だったガルウイングドアも、通常の横開きのドアに改められている。もちろんパフォーマンスはトップクラスで、コースを問わないオールラウンダーと言える。V8エンジンからの低いエキゾーストノートも特色だ。

     パフォーマンスもさることながら、メルセデスがGT3レーシングカーで愛されている特色のひとつが、充実したカスタマーサポートだ。レーシングチームはパソコンからクリックするだけでパーツをオーダーできるという。
  • 04 ポルシェ911 GT3 R
    Porsche
     ポルシェはGT3カテゴリーが生まれた頃からGT3レーシングカーとして愛されてきた歴史をもつが、長い伝統をもつポルシェ911の市販車が最新型のタイプ991に変更されたのにともない、2015年のニュルブルクリンクで発表されたのが新型911 GT3 Rだ。空力性能は“兄貴分”にあたるGTE規定用のRSRから受け継ぎ、伝統のRRレイアウトを活かしながらポテンシャルを高めている。

     また、先代のタイプ997からはドライバーの安全に関する性能が高められているほか、外装もほとんどがカーボン化。日本でポルシェというとストレートスピードが自慢という印象があるが、今ではどちらかというとコーナリングを活かすマシンとなっている。

     特徴はポルシェらしく、長距離レースでの強さ。もちろん短距離でも強いのだが、鈴鹿10時間のようなレースでは優勝を争う存在なのは間違いないだろう。

イタリア

エキゾチックな美麗フォルムと速さが売り
ファンもチームも憧れる存在
 ラテンの血が騒ぐイタリア車にも、GT3カーが存在する。もちろんその中心はフェラーリ、そしてランボルギーニというイタリアンスポーツカーの両巨頭だ。どちらのメーカーもGT3カーレースには積極的ではあるのだが、そのスタンスはまったく異なるというのも興味深いところだろう。ちなみに、過去にはマセラティのGT3カーも登場したが、現在は販売されていない。
  • 05 フェラーリ488 GT3
    Ferrari
     リヤエンジンの代表的なフェラーリのスポーツカーは、1990年代からF355、360、F430、458といずれもGTカーレースで活用されてきた。GT3レーシングカーが登場したのはF430からで、現在最新のGT3カーは458 GT3の後継機種となる488 GT3となっている。

     この488 GT3は、同じく488をベースとするGTE規定車両と多くの部分を共通化しており、パーツの組み替えによってGTE化することも可能だと言われている。3.9リッターV8ターボエンジンをミッドシップに搭載しており、リヤから見るその美しさはフェラーリならではのものだ。

     パフォーマンスは当然高く、コースを選ばない強さをもっているものの、GT3カーとしては価格が非常に高額。ただ、その高額な値段を惜しまぬプライベーターたちに愛されている存在だ。
  • 06 ランボルギーニ・ウラカンGT3
    Lamborghini
     かつてはレーシングカーをほとんど製作していなかったランボルギーニだが、フォルクスワーゲングループに入ってからは積極的にモータースポーツに参画している。GT3カーレースでは、当初ドイツのライター・エンジニアリングというファクトリーがランボルギーニのGT3カーを製作していたが、2015年に登場したウラカンからは、ランボルギーニ直下のレース専門会社、スクアドラ・コルセがリリースを担っている。

     特徴的な低いフォルムが美しいウラカンGT3だが、車体内部を見ると市販車でも兄弟車であるアウディR8 LMSと共通化した部分を数多く見ることができる。いわばドイツ車の“質実剛健”な部分を取り入れたイタリア車というわけだ。

     信頼性、そして走りもアウディR8 LMSと同様に、非常に高いパフォーマンスをもつ。5.2リッターV10エンジンから発生するエキゾーストノートもかなり似ているが、味付けが異なっている。フェラーリ同様、多くのカスタマーから愛されるマシンだ。

イギリス

F1、WRC……他カテゴリーの技術が詰まる
少数派ながら存在感は抜群
 イギリス車は日本ではそれほど多く目にするわけではないが、間違いなく世界中に多くのファンがいる。もちろん、GT3カーは「あこがれのスーパーカーでレースを戦う」という目標をもつジェントルマンドライバーたちの願いを叶えるカテゴリーであり、イギリス車の各メーカーもGT3カーをリリースしている。
  • 07 マクラーレン650S GT3
    McLaren
     F1チームとして世界的に著名なマクラーレンは、関連企業として設立されたマクラーレン・オートモーティブから市販スーパースポーツも近年数多くリリースしており、2011年のMP4-12CにもレーシングバージョンのMP4-12C GT3が用意された。

     市販車では2014年にお披露目された650SがMP4-12Cに代わるモデルとして登場したこともあり、レーシングカーとしても650S GT3がリリースされた。基本的なマシン構成はMP4-12C GT3から大幅に変わっているわけではないが、先代の弱点をつぶし信頼性が大きく向上している。

     MP4-12C GT3、そして650S GT3は日本では現在レースを戦っていないため残念ながら見ることはできないが、ヨーロッパのブランパンGTシリーズなど海外のシリーズでは愛されているマシンのひとつだ。F1チームからの技術も数多く取り入れられており、ステアリングなどはまるでF1マシンのよう。
  • 08 ベントレー・コンチネンタルGT3
    Bentley
     2011年に登場した高級ラグジュアリークーペであるベントレー・コンチネンタルのレーシングバージョンとして、2014年からリリースされたのがベントレー・コンチネンタルGT3。WRCでフォードの活動を担うMスポーツ、そして多くのラリーカーを生み出してきたデザイナー、クリスチャン・ロリオーによって開発された。

     市販車では2トンもの重量があったが、大幅に軽量化。また、4リッターV8ツインターボエンジンをレーシングカーとして可能な限り低い位置に押し込むため、レイアウトを変更。エンジンルームを見るとその苦労の跡がうかがえる。

     その甲斐もあってGT3カーとして高い性能を発揮し、ブランパンGTシリーズではトップを争う存在として活躍。車体価格も高めなのでそこまで台数は多くないが、車体の大きさもあり存在感は非常に大きい。
  • 09 アストンマーチンV12バンテージGT3
    Astonmartin
     スポーツカーレースで数多くの伝統をもつアストンマーチンが、先代のアストンマーチンDBR S9に続く車両として、GT3レース向けに2012年にリリースしたのがV12バンテージGT3だ。LM-GTE規定のバンテージはV8エンジンを搭載するが、こちらはDBR S9同様にV12エンジンを搭載する。

     登場当初はSUPER GTをはじめ世界各国のGT3カーレースで大活躍をみせ、ニュルブルクリンク24時間等にも参戦。ただし、近年はもともとの開発年度が古いこともあり、少しずつ現役で活躍するマシンが少なくなっている。

     ただ、2017年はまだブランパンGTシリーズでも戦っており、その実力は健在だ。来季鈴鹿10時間に登場するかは不明だが、ぜひ見たいマシンの1台ではある。

その他

ひょっとしたら鈴鹿にも登場!?
激レアGT3カーたち
 基本的にGT3カーは自動車メーカー、もしくはその委託を受けたコンストラクターによって製作されるレーシングカーだが、小規模コンストラクターが製作したGT3カーや、GT3カーとしてのホモロゲーションを受けていなかったり、ワンオフだったりするレーシングカーもいる。

 ひょっとすると来年鈴鹿10時間に登場することが叶うクルマもいるかも……!?
  • 10 エミール・フレイ・ジャガーG3
    Blancpain GT Series
     スイスのエミール・フレイAGが製作したジャガーのGT3カー。フロントにジャガーのV8エンジンを搭載する。ホモロゲーション切れにも関わらず「特認」を受けてブランパンGTシリーズに参戦中。
  • 11 キャラウェイ・コルベットC7 GT3/R
    ADAC
     長年コルベットを手がけるドイツのキャラウェイ・コンペティションが製作したGT3カー。ADAC GTマスターズでトップクラスの性能を誇る。
  • 12 キャデラックATS-V.R. GT3
    Cadillac
     アメリカのピレリ・ワールドチャレンジ(PWC)に参戦するキャデラック・レーシングが走らせる。高級クーペのATSがベース。2017年もPWCで活躍中。
  • 13 スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスSCG-003C
    ADAC
     映画監督のジェームズ・グリッケンハウスがワンオフで製作したスーパースポーツ。厳密にはGT3ではないが、GT3規定に沿って作られており、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦している。
  • 14 ルノースポールR.S.01
    Renault
     ルノーが開催するワールドシリーズに参戦していたスポーツカー。日産GT-Rと同じエンジンを積む。GT3化できるキットも販売されており、実際にレースにも出場した。

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